「コレステロール値が高い人は卵を控えるべき」本当?卵とコレステロール値との関係|管理栄養士が解説

 「コレステロール値が高い人は卵を控えるべき」本当?卵とコレステロール値との関係|管理栄養士が解説
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料理だけでなくお菓子づくりにも使えるたまごは、わたしたちの生活に欠かせない食材のひとつですよね。良質なタンパク質を摂取できるたまごは、栄養素が豊富な食品として有名です。一方で「たまごは1日1個まで」「食べすぎてはいけない」といった声を聞いたこともあるのではないでしょうか。たまごは食べすぎたらいけない?たまごを控えるべき人とは?今回はたまごの量についての疑問にお答えします。

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コレステロール値が高い人にとって卵は悪いもの?

たまごの食べ過ぎはNG?コレステロールとの関係とは
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「卵はコレステロールが高いから、体に悪い」というイメージがあるかもしれません。

たしかに、卵はコレステロールを豊富に含む食材です。そのため以前は「コレステロール値が高い方は卵を控えるべき」とされていました。しかし、食品からのコレステロール量と血中コレステロール値に因果関係がないことから、近年になって食品からのコレステロール量に制限はないとガイドラインが変更されています。

つまり「卵に含まれるコレステロールの量」を気にして制限する必要はないのです。

卵は1日にたくさん食べていいの?

たまごの食べ過ぎはNG?コレステロールとの関係とは
illustration by なつめももこ

健康的な方は1日1〜2個を目安に

「卵のコレステロールは血中コレステロール値に影響がない」ということは、卵をいくら食べても大丈夫?と思うかもしれません。しかし、1日に食べる卵の量は1個、多くても2個までがおすすめです。

卵には「飽和脂肪酸」が含まれています。卵を食べるときに気をつけるべきなのは「コレステロールの量」ではなく「飽和脂肪酸の量」です。飽和脂肪酸のとり過ぎはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させる要因となります。LDLコレステロールは、動脈硬化を引き起こし、結果的に脳梗塞や心筋梗塞を発症させてしまうのです。

健康的な食生活や運動習慣がある方は動脈硬化を予防するためにも、卵を1日に1〜2個までにしておくのがおすすめです。

脂質異常症の方は卵の量に注意

以上のように、卵に含まれる飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増加させ、動脈硬化の原因のひとつとなります。すでに脂質異常症と診断されている方は、飽和脂肪酸の摂取量に注意が必要です。

卵を食べるのは1日1個程度を目安にしておきましょう。定期的に検診を受けて、コレステロール値をチェックして食事内容を改善していくのがおすすめです。

卵をたくさん使う料理はNG?

たまごの食べ過ぎはNG?コレステロールとの関係とは
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健康的な人でも1日に1〜2個しか卵を食べられないのであれば、オムレツや親子丼などたまごを豊富に使うメニューは控えた方がいい?と思うかもしれません。

しかし、大事なのはバランスです。「卵をたくさん使うオムレツを食べた翌日は卵の量を控える」など工夫して、1週間を通してみたときに「平均1〜2個」であれば問題ありません。

まとめ:卵は1日1個で、バランス重視な食事を

卵は良質なたんぱく質をとれる食材ですが、やはりほかの野菜やお肉、大豆などと組み合わせて食べるようにこころがけるのがおすすめです。脂質異常症と診断されている方は、1日1個程度を目安に考えて適度に食べるようにしましょう。卵が大好き!という健康的な方も1日1〜2個にとどめるようにして、バランスのいい食事を目指すのがいいですね。

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なつめももこ 管理栄養士

なつめももこ

管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。



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