納豆と相性がよい&免疫力が高まる食べ物とは?管理栄養士が勧めたい「納豆プラスワン」野菜
発酵食品である納豆には、さまざまな栄養素を摂取できる、体にいいイメージを持っていませんか?実は、納豆にも不足している栄養素があるのです。この記事では、納豆と一緒に食べることで不足している栄養素を補いつつ、より高い健康効果が期待できる食材を管理栄養士が紹介します。
納豆と一緒に食べるのはモロヘイヤがおすすめ
納豆は日本の伝統的な発酵食品であり、納豆に対して健康的なイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実際に、納豆はたんぱく質・脂質・糖質の三大栄養素やビタミン、ミネラルを含んでいます。さらに食物繊維やイソフラボン、ナットウキナーゼなどの健康効果が期待できる成分も豊富です。
しかし納豆には、いくつかの不足している栄養素があります。それを補える食材が、独特の粘りを持つ緑黄色野菜であるモロヘイヤです。納豆とモロヘイヤは、どちらも粘りがある食材という点で相性がよく、さらに栄養的観点からも健康への効果が見込める組み合わせです。
ビタミンACEを摂って免疫力アップ
納豆はビタミンAとビタミンCが不足していますが、モロヘイヤと組み合わせることでこれらの栄養素を補えます。さらに、病原菌やウイルスから体を守る免疫機能の向上にも効果が期待できます。
モロヘイヤは、色の濃い野菜に多く含まれる色素成分、βカロテンが豊富です。βカロテンは体の中に取り込まれると、ビタミンAに変わります。ビタミンAは目、鼻、のどといった粘膜や肌を健康に保つ栄養素です。
ビタミンAは、免疫力アップにも力を発揮します。病原菌やウイルスなどの異物は、肌や粘膜を通って体の中へ侵入してきます。そのためビタミンAを摂取して肌と粘膜を健やかに保つことで、異物から体を守る機能が高められるのです。
肌や粘膜のバリアを越えて体内に侵入した異物は、リンパ球や白血球などの免疫細胞によって除去されます。これらの免疫細胞の働きを活発にして、免疫力を高める栄養素がビタミンCです。
さらに、ビタミンCが持つ強い抗酸化作用にも注目してください。免疫細胞が異物と戦ったあとにできる活性酸素は、健康な細胞を攻撃するおそれがあります。しかしビタミンCは抗酸化作用によって活性酸素を除去して、体を守ってくれるのです。ビタミンEも抗酸化作用がある栄養素であり、ビタミンCと同じように活性酸素を除去する働きがあります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれ、一緒に摂ることで相乗効果を発揮する栄養素とされています。ビタミンEは納豆にも含まれていますが、モロヘイヤからも摂取することで、ビタミンACEの効果はさらに強くなるでしょう。
納豆とモロヘイヤで感染症に負けない体に
モロヘイヤだけではなく、納豆にも免疫力アップに効果が期待できる栄養素が含まれています。納豆の原料である大豆に由来するたんぱく質は、リンパ球や白血球などの免疫細胞や、体に侵入した異物を攻撃する抗体のもとになる栄養素です。たんぱく質が不足すると、免疫機能がきちんと働かなくなるおそれがあります。
納豆に含まれる亜鉛は、免疫細胞を活性化させるミネラルです。納豆には、腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれています。腸は体の免疫細胞の約70%が集まる臓器であり、免疫の要といえる場所です。そのため腸内環境を整えることは、体の免疫機能を正常に維持することにつながります。
このように納豆とモロヘイヤは、ビタミンACEやたんぱく質、亜鉛、食物繊維といった栄養素を含むことで、免疫力を高める効果が期待できる組み合わせといえます。ねばねばした食品同士で食材としての相性もよいので、ぜひ献立に取り入れてみてください。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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