全く糸をひかない納豆が…腐っている?食べられる?管理栄養士が解説

 全く糸をひかない納豆が…腐っている?食べられる?管理栄養士が解説
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ネバネバと糸をひく納豆を、ご飯の上にかけて食べるのが楽しみ!という方も多いのではないでしょうか。 ところが買ってきた納豆を食べようとした時、糸をひかなかったことはありませんか? いつもは当たり前のように糸をひくので、腐っているのではないか…と心配になりますよね。 糸をひかない納豆とは、どのような原因があるのかお伝えします。

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納豆が糸を引かないのは二次発酵によるもの

糸をひかない場合、納豆には生きた納豆菌が含まれているため、出荷された後でも納豆菌が活性化すれば発酵がさらに進みます。

製造工程で適度に発酵させた後、冷却して発酵を停止させていますが、再度高い温度にさらされた場合や長く保管された場合には発酵が進みます。15℃以上で発酵が進むといわれているため、購入後はすぐ冷蔵庫で保管してください。

食べても問題ないですが、食感の悪さや苦みが出るので気をつけたいところです。

しかし、ここで疑問が出てきます。

そもそも納豆は発酵食品で腐らせているので、二次発酵が進んでも食べて大丈夫なのでは?と思いますよね。

たしかに「発酵」と「腐敗(腐る)」ことの仕組みは同じです。

微生物の働きにより食品中の成分(納豆でいえば納豆菌)が変化することです。

しかし、根本的に大きな違いがあります。

人間にとって有益に働けば「発酵」、人間にとって不利益に働けば「腐敗」です。

栄養価が高く、ホルモンの働きやダイエットにも効果があり、美肌も期待されているからこそ食べる納豆。

おなかを壊して不利益に働かないよう、発酵のまま食べることが肝心です。

納豆
糸を引かない理由は、二次発酵によるもの。
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腐った納豆、どんな状態?

では、納豆が腐っているのはどんな状態でしょうか。

見た目

外観が茶色っぽくドロッと溶けたような状態。

さらに経過すると表面に白い粒々したアミノ酸の結晶が表れる。

におい

ツンとするにおいや、焦げたようなにおい。

食感

シャリシャリとして砂を噛んでいるような感じ。

苦味が強い。

判断がむずかしいですが、発酵が進むと本来の風味は失われてしまいます。変だなと思ったら、体調第一なので腐っていることを疑ったほうが良いかもしれません。

食べきれない場合の保存方法

では、まとめ買いをしたときなど、食べきれない場合どのように保存すればよいでしょうか。

簡単!パックのまま冷凍保存がおすすめ

賞味期限内に食べきれないと思ったら、パックのまま簡単に冷凍保存ができます。

冷凍したら納豆菌が死滅するのではないかと心配になりますが、冷凍しても死滅しないので健康に良いまま食べることができます。

パックのまま冷凍保存袋に入れて保存

冷凍庫で3週間ほど保存可能です。冷蔵庫で解凍するか、すぐに食べるなら常温回答でも可能です。

ただし、温度が上がりすぎないよう気をつけて下さいね。

すぐに食べられて便利!味をつけてからの冷凍もおすすめ

Sサイズの冷凍用保存袋に納豆2~3パック分を入れ、好みのトッピングを加えて添付のたれか醤油で味をつけます。粘りを出さない程度に軽く混ぜます。納豆を平らにし、空気を抜くように袋の口を閉じます。

取り出しやすくするために半分に折ってから冷凍すると、食べやすいですね。

冷凍庫で2週間程度保存可能なので、サッと手軽に食べられる一品にもおすすめです。

トッピングはじゃこ、おかか、青のりなどお好みのものを入れてください。

冷凍臭が気になる方は、ごま油やコチュジャンなど香りが強い調味料を混ぜると気にならなくなりますよ。

まとめ

全く糸をひかないから、食べられないというわけではありません。

しかし発酵と腐敗は似ているため、いつもと見た目やにおいなど違うなと感じれば無理に食べないようにしましょう。

冷蔵庫で保管し、賞味期限内に食べきれない場合は正しく保存しておいしく食べきりましょう。

出典:
納豆の糸がまったく引かなくて、口に入れたら食感... | 生活協同組合おおさかパルコープ
よく寄せられる質問 |タカノフーズ株式会社
賞味期限を延ばす【納豆・油揚げ・豆腐・味噌】の冷凍保存 | ほほえみごはん-冷凍で食を豊かに-|ニチレイフーズ
農林水産省「日本の食文化に欠かせない発酵の世界」

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きしもとわか

きしもとわか

管理栄養士。認定栄養ケアステーションにて、スポーツジムや歯医者、糖尿病内科、介護施設等の委託栄養士を経験。業務の中で訪問介護での食事作りをする為、初任者研修も取得。介護食を研究し、在宅でも嚥下機能に合わせた食事を提供する。 夫の転勤で転居、2人目妊娠をきっかけに退職。 現在第一子の偏食に奮闘中。栄養指導、食育相談、ダイエット講座での講師を務めた経験を活かし、栄養・健康分野のライター業務を開始。



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