興奮したり恥ずかしいとき、顔が赤くなる…そのとき、体で何が起きている?原因と対策を医師が解説

 興奮したり恥ずかしいとき、顔が赤くなる…そのとき、体で何が起きている?原因と対策を医師が解説
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人前で恥ずかしくなったり、興奮したりすると無意識に顔が赤くなった経験は誰しもあることと思われます。「赤面する」という言葉がありますが、なぜこのような現象が起きるのでしょうか。本記事では、その原因について医師が解説していきます。

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赤面する原因

人間は恥ずかしくなったり興奮状態になるとアドレナリンという、交感神経を司るホルモンが多量に分泌されるようになります。交感神経が優位になると、血圧や心拍数が上昇し、血管が拡張し血流が増加していきます。この作用により顔面の毛細血管に大量の血流が流れていくことで顔が赤くなっていきます。

赤面症・あがり症

顔が赤くなる程度はもちろん個人差があります。あまりにも顔が赤くなると、人に赤面した顔を見られることを恐れる赤面症という症状もあります。このような症状になると次第に人と接することに恐怖心を抱くようになり、対人恐怖症の一つであると考えられています。

対策

人前に出て会話する機会などを増やしていくうちに、徐々に慣れるようになり耐性が付くことで克服できることがあります。しかし、逆効果となりますます人前に出ることが困難になるケースも少なくありません。この場合、どんどん悪循環に陥ってしまいます。このため、まずは一人でできる対策を試してみると良いでしょう。腹式呼吸をしてリラックスしてみたり、今やるべきことにしっかり集中して取り組んでみたりすることで改善されることがあります。赤面症は人目を気にしがちな若い人に発症することが多く、年齢を重ねるにつれて解消されていくことも少なくありません。しかし、あまりにも症状が強い場合には医療機関を受診してカウンセリングなど受けてみると良いでしょう。

ここまでは恥ずかしくなったり興奮したりする場合の赤面の仕組みについて解説してきました。しかしこのような状況でもないのに頻繁に顔が赤くなってしまう場合は自律神経失調症などの可能性があります。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症の症状としては顔が赤くなる(火照る)他に全身倦怠感や息切れ、食欲がわかなくなるなど多様な症状がみられます。また身体的な不調だけでなく、精神的にもイライラしたり気分が落ち込んだりと、感情の起伏が激しくなることがあります。

自律神経失調症の原因と対策

自律神経失調症は不規則な生活を送っていたり、過剰なストレスを抱え込んでいたりすると発症しやすくなります。また更年期の女性にもみられることがあります。症状を改善するためには、規則正しい生活、食事を心掛け、また適度な運動をすることでも改善を見込めます。ストレスを抱え込まないように、ご自身に合ったリフレッシュ方法を見つけることも重要です。

まとめ

赤面する原因、対策について解説いたしました。生理的な反応であることがほとんどですが、赤面の状態が続くと体の不調のサインでもあることがあるので、バランスの取れた生活を送ることも重要です。赤面が気になる場合は医療機関に相談してみることも良いでしょう。

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Dr.しろくま

Dr.しろくま

循環器内科医。医学部卒業後、関東の総合病院で初期研修を行い、医師3年目から高度医療機関で循環器内科医として勤務。臨床業務だけでなく、国内外での学会発表や多数の英語論文執筆など、幅広く医療活動を行っている。



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