【顔色が悪い】ピンチの時、顔が青白くなる…なぜ?顔色によっては注意したい隠れた疾患は?医師が解説

 【顔色が悪い】ピンチの時、顔が青白くなる…なぜ?顔色によっては注意したい隠れた疾患は?医師が解説
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ピンチの時、「顔が青くなる」のはなぜでしょう?医師が解説します。

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ピンチの時に顔が青白くなった経験がある方は多いのではないでしょうか。顔が青白くなる原因として日常生活上で起こりうるものと、何らかの病気によるものと2つの原因が考えられます。本記事では顔色が変化する原因と、注意すべき病気について解説していきます。

日常生活上の原因と対策

ピンチの時のような状況に陥ると、交感神経が過敏になり、顔面の毛細血管を収縮させます。これにより顔の血流が悪くなり、青白くなることがあります。ピンチの時以外でも、低体温や寝不足であったり、疲労感が強かったりすると、顔色を悪化させる一因になります。いずれも血流が悪くなることが原因なので、しっかりと湯船につかるなどして体を温め、リラックスできるような環境を作ることが重要です。しっかりと休息をとり、リフレッシュすることで顔色は改善することが多いため、自分に合った休息方法を見つけると良いでしょう。

注意すべき疾患

上記のように十分な休息をとることで顔色が元に戻るのであれば、大きな心配はありませんが、改善しない場合は背景に怖い病気が隠れていることも少なくありません。

顔色が悪いといっても、その「色」によって疑われる疾患も異なります。

・青白く血色が悪い
・白目も含めて黄色っぽい
・全体的にどす黒い

これらのような顔色になることがあるため、その主な原因となる病気についてみていきましょう。

貧血

青白くなる原因で最も多いのが貧血です。貧血とは血液の成分となる赤血球やヘモグロビンが減少する病気のことです。ヘモグロビンは酸素と結合して赤色になるため、ヘモグロビンが少ななくなると赤味も失われてしまうので顔が青白くなっていきます。

貧血は顔色が悪くなるだけでなく、息切れやめまい、だるさなどといった多様な症状が出ることがあるので注意が必要です。一般的には貧血の90%が鉄不足による鉄欠乏性貧血といわれているため、鉄分を補うことで改善する可能性もありますが、血便や血尿など出血が見られる際は早期の病院受診をお勧めします。

肝不全

お酒の飲みすぎやウイルスによる感染症などで肝臓の機能不全に陥ることがあります。典型的な症状として、黄疸(顔や目が黄色くなる)、食欲不振、全身倦怠感などの症状が出てくるようになります。症状がさらに悪化すると肝硬変に至ることがあり、肝臓病を疑う場合は早めに消化器内科を受診しましょう。

腎不全

腎機能が低下してくると、血液中の老廃物が尿とともに排出されにくくなり、血液の色が汚れて黒ずんできます。この血液の色が顔に反映されてしまうと、顔色が全体的に黒っぽくなるようになります。初期症状としては血尿や尿の濁り、体がむくんでくるようになります。あまりにも悪い状態で放置しすぎると透析に至るケースもあるので、早めの受診を心がけましょう。

アジソン病

何らかの原因でホルモンの分泌が不足し、代謝機能が低下してしまう病気です。

顔色が黒っぽくなったり、吐き気や下痢、全身倦怠感などの症状が見られます。気分が落ち込みやすくなり、うつ病のような症状が出ることもあります。

まとめ

日常生活を送るうえで顔色が変わることは珍しくありませんが、リラックスして十分な休息をとっていても、顔色が悪い場合は病気が隠れている可能性があります。心配な症状があれば早めに医療機関で相談されることをお勧めします。

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AUTHOR

Dr.しろくま

Dr.しろくま

循環器内科医。医学部卒業後、関東の総合病院で初期研修を行い、医師3年目から高度医療機関で循環器内科医として勤務。臨床業務だけでなく、国内外での学会発表や多数の英語論文執筆など、幅広く医療活動を行っている。



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