ささくれができる意外な原因は?ささくれが重大な病気の予兆となることはある?医師が解説
ささくれができてしまうと痛みがあったり、衣服に引っかかったりなどと悩まされることも少なくありません。ささくれは体の不調を示していることもあり、その原因や対応など詳しく見ていきましょう。
ささくれの症状
ささくれとは爪周囲の皮膚が乾燥することで角質がめくりあがってしまった状態のことです。小さな傷ですが痛みを伴うことが多いでしょう。地域によっては「さかむけ」と呼ばれることもあります。
ささくれの原因
ささくれの主な原因は乾燥と栄養不足になります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
乾燥
ささくれは冬になると発症する頻度が多くなるといわれており、これは空気自体が乾燥していることが主な原因です。我々の皮膚は水分と油分によって守られていますが、皮膚の乾燥により水分、油分が失われることで皮膚のバリア機構が弱まり、ちょっとした刺激などでも皮膚が損傷しやすい状態になることでささくれが発症します。特に冬はお湯を用いて水洗いなどを行うことが多いと思われますが、これにより水分の蒸発が促進され、また洗剤などの使用で油分が落とされることが非常に多く、ささくれが発症しやすくなってしまいます。手指が乾燥しているなと感じたら、クリームなどでのマメな保湿が大切です。
また、ネイルリムーバーにも油分を落とす「アセトン」が使われていることが多く、ささくれの原因となることがありますので、アセトンフリーの製剤を探しみてもいいでしょう。
栄養不足
ささくれのもう一つの原因は栄養不足です。タンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足すると皮膚の新陳代謝が損なわれ、ささくれの原因になります。おすすめの栄養素は下記になります。
タンパク質:皮膚の健康な状態を維持する作用があります。肉、魚、乳製品などに多く含まれます。
ビタミンA:皮膚の新陳代謝を活性化させ、潤いを保つ作用があります。ほうれん草、うなぎ、レバー、ニンジンなどに多く含まれます。
ビタミンE:血行改善作用があり血流を良くしてくれます。アーモンド、いわしなどに多く含まれます。
バランスの取れた食生活を心掛けるようにしましょう。
ささくれの対処法
ささくれができるとついつい引っ張ったり、むきたくなってしまいます。しかし無理に取ってしまうと健康な皮膚まで傷つけてしまうため、NGです。清潔なハサミでささくれの根元からカットするようにしましょう。無理やり剥がしてしまうと、傷が深くなって化膿したりするなど治癒により多くの時間がかかることがあります。爪周囲炎やひょう疽といって傷口が化膿している状態が見られた際は、セルフケアではなく皮膚科受診をお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ささくれの原因、対処法について解説しました。
ささくれができてしまったら乾燥しないように保湿し、また食生活を見直してみることが重要です。無理やりはがしてしまうと化膿してしまうリスクもあるので、適切な対処を行いましょう。再発することも珍しくないため、マメな保湿、バランスの良い食事を心掛け、きれいな指先を保ちましょう。
AUTHOR
Dr.しろくま
循環器内科医。医学部卒業後、関東の総合病院で初期研修を行い、医師3年目から高度医療機関で循環器内科医として勤務。臨床業務だけでなく、国内外での学会発表や多数の英語論文執筆など、幅広く医療活動を行っている。
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