【生活習慣病】だらしない人がなる病気というわけではない!正しく理解するために知っておきたいこと

 【生活習慣病】だらしない人がなる病気というわけではない!正しく理解するために知っておきたいこと
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生活習慣病と聞くと「暴飲暴食ばかりしている人がなる」「自己管理ができない人がなる」など、生活にだらしない人がなるものだというイメージを持っていませんか?規則正しい生活をしていたとしても、生活習慣病になる可能性はゼロではありません。誤解しがちな生活習慣病について、医師が解説します。

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生活習慣病とは、食事や運動、飲酒や休養などといった生活習慣が、その発症や進行に関与する病気のことです。生活習慣病には糖尿病や高血圧、脂質異常症などといった病気がありますが、生活習慣病と聞くと、「自己管理のできない人がなる病気」「暴飲暴食が原因」などのイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに生活習慣病は、生活習慣の乱れが一番の原因となりますが、これらの病気は遺伝的要因など様々な原因で発症することもあります。本記事では誤解されがちな生活習慣病のうち、糖尿病、高血圧、脂質異常症についてその特徴を解説していきます。

生活習慣病
生活習慣病は、食事や運動といった生活習慣がその発症や進行に関与する病気。ではあるが、必ずしも生活の乱れ"だけ"が原因とは言えない。
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糖尿病

糖尿病は生活習慣病の代表格ともいえる病気ですが、その原因については、正しい理解が得られているとは言い難いのが現状です。糖尿病には1型と2型がありそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

◇1型糖尿病

自己免疫の異常やウイルス感染などが原因で、膵臓のインスリン(血糖値を一定に保つ働き)分泌を阻害し、高血糖状態になってしまう病気です。生活習慣とは関わりはなく、日本では毎年約14000人が診断され、若い方を中心に発症します。治療にはインスリンの注射が必要になります。

◇2型糖尿病

一般的に生活習慣病として認知されているタイプが2型糖尿病となります。しかし、このタイプの糖尿病にも、生活習慣が関与する要因と、遺伝的要因があります。日頃の生活習慣が糖尿病のリスクとなることは事実であり、食べ過ぎや肥満、運動不足などは糖尿病の発症に大きく関与しています。このような生活習慣に加え、身内に糖尿病の近親者などがいらっしゃると、より糖尿病を発症しやすくなります。2型糖尿病の場合、糖尿病になりやすい体質は遺伝していくことが知られています。遺伝したからと言って必ずしも糖尿病を発症するわけではありませんが、生活習慣を整えるようにしましょう。

高血圧

高血圧には原因を一つに特定できない本態性高血圧と、別の病気の影響で血圧が上がってしまう二次性高血圧があります。日本人の80%~90%は本態性高血圧と言われています。

◇本態性高血圧

本態性高血圧の場合は、生活習慣や加齢によって発症することが多いです。血圧の上がりやすさも遺伝的要因が関わっており、両親とも高血圧の場合は50%、どちらか片方のみ高血圧の場合は30%の確率で高血圧になるともいわれています。高血圧の多い家庭では、家庭内でも高血圧を予防するような生活習慣を送ることが重要です。

◇二次性高血圧

二次性高血圧はホルモンの異常や腎臓病、薬の副作用などでも起こることがあります。原因を取り除くことで改善することが多いですが、必ずしも生活習慣が原因で発症することはありません。

脂質異常症

血中のコレステロールや中性脂肪が異常値となってしまう病気です。こちらも生活習慣が原因となることが多い病気ですが、家族性高コレステロール血症といい、若くしてLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が上昇してしまう遺伝性の病気もあります。こちらも生活習慣とは関係なく、200~500人に1人の割合で発症するとされており、比較的頻度も高めです。通常の脂質異常症よりも、動脈硬化のリスクがさらに高く、若くして心筋梗塞や脳卒中などを発症することがあります。

まとめ

生活習慣の乱れによって生じると思われがちな生活習慣病ですが、規則正しい生活をしていても発症することは十分にありえます。病気についての正しい知識を持つことが重要です。

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AUTHOR

Dr.しろくま

Dr.しろくま

循環器内科医。医学部卒業後、関東の総合病院で初期研修を行い、医師3年目から高度医療機関で循環器内科医として勤務。臨床業務だけでなく、国内外での学会発表や多数の英語論文執筆など、幅広く医療活動を行っている。



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