「日本と全てが真逆なインドと、ヨガを通して向き合う」インドにルーツを持つ黒川ナミタさんの思いとは
心の声に素直に従ってインドへ
マサチューセッツ州バブソン大学を経て、21歳の時に東京の大手証券会社に就職。やりがいを感じていたものの、毎朝4時に起きて仕事をする毎日に限界を感じ、「好きなこと」を仕事にしようと考えます。その時頭をよぎったのが、17歳のときに取り組んだヨガでした。そしてナミタさんは苦手だったはずのインドでヨガインストラクターの資格をとることに決めます。
N:「長年苦手だったインドに1ヶ月半も、一人で滞在するということは、私にとって大きな決断でした。でも、自分のルーツとなる場所へ行かないといけないと思ったんです。偶然、大学時代の友人も一緒に同じ養成講座を受けることになり心強かったし...。なによりヨガのルーツであるサンスクリット語がわかる人に学びたい、というのもありました。」
実は、インドのヨガのテキストに記載されているサンスクリット語は、今は使われていない昔の言葉。つまり、日本のヨガスクールでは、サンスクリット語からヒンドゥー語、英語、そして日本語へと何度も翻訳された言葉で教わります。ナミタさんは、サンスクリット語がわかり、英語が話せる講師に教わることで、昔からインドに伝わるヨガを正確に学び、インドの歴史に触れようとしました。
充実の6週間のなかで学んだこと
滞在したのはヨガの聖地、リシケシ。早朝6:00の鼻うがいからスタートする養成講座は、日曜日以外毎日決まったスケジュールで行われます。一緒に受講するスクールメイトたちとの共同生活を楽しみながら、休憩時間中は解剖学やヨガ哲学の復習を欠かさず行ったというナミタさん。どんな疑問にも丁寧に答えてくれる講師の姿勢やクラスのスタイルに感動を覚えたそう。
N:「少人数制で行い、細かい所まで指導してくれるクラスの質の高さを学びました。だから日本でスタジオを設立してからも、生徒の人数が増えたらクラス数を増やすように心がけています。」
見方を変えることで、欠点は魅力になる
何かに導かれるようにインドのリシケシでRYT200を取得したナミタさん。充実の6週間を過ごしたものの、それでもインド特有の空気を好きになりきれなかったそうです。そんな中、同年10月、かねてからお付き合いをしていた男性と結婚。ナミタさんのお父さんの希望により、結婚式はインドで挙げることに。1ヶ月に1度は挙式準備のためインドに訪れ、次第に「インドにいる自分」を自然に感じられるようになったそうです。結婚式には多くの友人たちが駆けつけ、なんと仲間内で「ウェディングヨガクラス」を開催。結婚式を機に、ことあるごとに友人たちとインドトークを繰り広げるなかで、ナミタさんの中に心境の変化が起こりました。
N:「共有できる相手がいることで、苦手だったインド特有のカオスな部分が面白さに変わったんです! 例えば『信号が赤なのに、みんなスピード落とさないよね(笑)』とか。自分がインドで結婚式を挙げたことで、周囲の友人たちがインドを知ってくれた。そして、面白がってくれて、好きになってくれた。そのことが一番嬉しかったのかもしれません」
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