「少食な子供に、少量でも効率よくたんぱく質を摂取させたい…」管理栄養士が勧めたい食事メニュー2つ
子供の成長に欠かせない栄養素、たんぱく質。しっかり摂取させたいと思っても、食べ物の好き嫌いがあったり少食だったりして、なかなか食べさせられないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。この記事では、子供への高たんぱく質食におすすめの食材や、食事例を紹介します。
子供とたんぱく質
たんぱく質の必要性と摂取のポイント
たんぱく質は肌や髪の毛、筋肉、内臓などあらゆる組織をつくる材料となる栄養素です。体の機能を調整する酵素やホルモンの材料にもなり、エネルギー源としても利用されます。特に身長が伸び、体が大きくなる成長期には、たんぱく質の摂取が欠かせません。
しかし子供は一度にたくさんの量の食事を食べられないため、少量でも効率よくたんぱく質を摂取できるよう、工夫する必要があります。
たんぱく質を細かく分解したアミノ酸には多くの種類があり、食品によって含まれるアミノ酸の種類が異なります。ひとつの食材のみからたんぱく質を摂取するのではなく、さまざまな食材を組み合わせるようにしましょう。
食事から摂取したたんぱく質を分解し、体の中で使いやすい形にするためにはビタミンやミネラルが必要です。たんぱく質だけを集中して摂取するのではなく、食事全体で栄養バランスがよくなるように気をつけてください。
子供に必要なたんぱく質量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、小学生は約30〜50g/日、中学・高校生は約55〜65g/日のたんぱく質を摂ることを推奨しています。大人の推奨量は男性65g/日、女性50g/日なので、思春期になると大人とほぼ同程度のたんぱく質が必要になることがわかります。
しかし、毎日の食事でこの数値を満たす必要はありません。1週間、1ヶ月など長い目で見て、トータルで摂取できるように心掛けてください。
子供の高たんぱく質食を実践!おすすめ食材と食事例
たんぱく質摂取におすすめの食材
たんぱく質には、動物性と植物性の2種類があります。動物性たんぱく質には肉・魚・卵・牛乳があり、植物性たんぱく質の代表は大豆製品です。野菜のなかでもブロッコリーや、熟す前の大豆である枝豆はたんぱく質が多く含まれています。ブロッコリーや枝豆は冷凍でも市販されているので、料理に使いやすくおすすめの食材です。
肉でも脂身が多いバラ肉などは脂質が多く、たんぱく質の割合が少なめです。脂質の少ない鶏むね肉や鶏ささみ肉、牛・豚ヒレ肉を選べば、少量でヘルシーに効率よくたんぱく質を摂取できます。
牛乳もたんぱく質が豊富ですが、たくさん飲ませるとそれだけでお腹いっぱいになり、食事が食べられなくなる可能性があります。牛乳を飲むのは適度な量にとどめて、グラタンやミルクスープなど食事にも牛乳を取り入れる工夫をしましょう。
子供が少食であるなど、どうしても朝昼晩の食事だけではたんぱく質を補いきれない場合は、間食を活用してください。チーズやヨーグルト、きな粉を使ったおやつを食べさせれば、たんぱく質を補えます。
おすすめ食材を使った食事例
・鶏肉とブロッコリーのホワイトソースグラタン
具材の鶏肉とブロッコリーだけでなく、ホワイトソースの牛乳、グラタンにかけるチーズにもたんぱく質が含まれます。グラタンのミルキーな味わいは子供にも人気が高く、喜んで食べてもらえるでしょう。
・豆腐の卵とじ
豆腐と卵、どちらもたんぱく質が豊富な食材です。子供でも食べやすい、ふわふわとしたやわらかい食感であることもポイントです。さらに野菜を加えると、食事のボリュームも栄養価もアップします。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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