お肉やお酒、夜更かしもOK?楽しみながら胃腸を労る、アーユルヴェーダ的師走の過ごし方

 お肉やお酒、夜更かしもOK?楽しみながら胃腸を労る、アーユルヴェーダ的師走の過ごし方
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HIKARU
HIKARU
2022-12-18

ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。

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師走と言えば忘年会やクリスマスなど、年末年始にかけて会食の機会も増えて、普段食べないようなご馳走や、スペシャルメニューにも出会すことが多くなりますね。真冬に向けてだんだん消化の力は上がり調子ではありますが、イベントが続くとさすがに胃腸にも負担がかかってきます。今回は胃腸をケアしながら、なるべく美味しく楽しくこの時期を過ごせるようなポイントをお伝えします。

1. よく噛んで食べましょう

楽しい雰囲気で美味しく食べることは消化にはとても良いことなのですが、会話しながらの食事は食べていることに意識が向きにくく、いつもよりあまり噛まずに飲み込んでいる可能性も出てきます。特にこの時期、消化が難しいリッチなメニューが多くなりますので、飲み込む前にはいつも以上に良く噛むことを少し心がけるだけでも、胃腸への負担を軽くできるかもしれません。消化の第一段階は、まさに口の中での咀嚼です。よく噛むことにより食事の速度も落ち着き、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

2. 鹿、山羊は有益な肉、羊もおすすめ

アーユルヴェーダの古典書をみると、古代ではたくさんの種類の肉を食していたことが書かれています。すでに絶滅した動物もいますが、現代生息している動物の中では、鹿、山羊が有益な肉と考えられています。山羊に近い動物として羊の肉、ラムやマトンもおすすめです。山羊や羊は独特の臭みがあるので苦手な方もいらっしゃるとは思いますが、鹿肉はほとんど臭みがないので、とても食べやすいです。また、“黒い皮のついたぶどう酒と共に良く噛んで食すると良い”とも言われているので、ジビエのシーズンでもある冬のメニューに鹿肉を見つけたら、ぜひ赤ワインとのマリアージュを楽しんでください。ちなみに牛肉は消化が難しく、アーユルヴェーダでは無益な肉になります。

3. お酒はオシャレをして楽しみましょう

ヨガの世界では、心を惑わせるものであるお酒はご法度ですが、アーユルヴェーダでは飲み方を工夫すれば有効活用できるものと考えられていて、薬効の抽出や保存に利用した薬用酒として使われ始めました。そしてお酒を飲むことは特別なことと考えられていますので、準備も大切にしています。“お風呂やシャワー浴びてから清潔で上質な衣服に着替え、宝石、花飾り、香水などをつけてドレスアップをし、上質なクッションなどで整えられた席にて特別な時にしか使わないような食器に麗しい人に注いでもらい、リラックスできる人達とほろ酔い程度を楽しむように”と。お酒は気分を高揚させるので、社交の場では会話が弾みやすくなりますし、肉体疲労に対してリラックス効果もあるため、一年を労う際には活用できますね。ただし程度が過ぎてしまうと、感情のコントロールが効かなくなり、体にとっても負担がかかり、翌日にも影響が出て来ますので、“ほろ酔い程度”を超えないように気をつけたいものです。

4. 食べ過ぎた時には熱々のお白湯を

普段食べ慣れていないものやリッチな味付けは、消化が難しく感じることがあります。また、会食では量の調節がしづらく、食べ過ぎてしまうこともありますね。そんな時には、食後にやや熱めのお白湯を飲むと、消化を助けてくれます。食後、発汗するような運動は消化の妨げになってしまいますが、すぐ横になってしまうのも消化しにくい体勢です。外食の時にはゆっくり散歩を、家の中では食器を片付けるなどの家事をすることで、消化促進をするのも良いです。

5. 消化のためには夜更かしを

お腹いっぱいになると眠気がやって来ますが、そこで寝てしまうと消化の妨げになってしまいます。一食の消化にかかる時間はおよそ3時間と言われていて、消化ができないと未消化物(アーマ)になり、体内に毒素として残ってしまいます。アーユルヴェーダでは、“様々な病はこの未消化物の蓄積が原因である”と考えられています。早寝早起きは健康や長寿の秘訣ですが、いつもより遅い時間まで飲食していた時には夜更しした方が良く、睡眠を少し削ったとしても食事が消化されてからお休みください。

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HIKARU

HIKARU

アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社) www.ayusya.jp



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