朝、漬け丼を食べると代謝がアップする?管理栄養士がおすすめしたい【ダイエット小丼】メニュー
アスリート専属管理栄養士として活動する石松佑梨さんが提案する、ダイエット朝ご飯。今回は血行促進をテーマにした小丼の食トレです。
今月は代謝アップ小丼です。いつもの身近な食材で、すぐにできるおいしいダイエット朝食を始めましょう。今回、代謝アップするしくみは"血行促進"です。
小丼で代謝アップするしくみ
私たちは寒さを感じると、血管を収縮させて血液の流れる量を少なくします。これに自律神経や女性ホルモンの乱れ、過剰なストレス、運動不足などがあると、さらに血流を悪化させます。熱産生には、血液によって細胞に届けられる酸素や栄養が必要です。そのため血行不良は冷えを招きますし、冷えはさらに血行を悪化させるという悪循環を生じてしまいます。
ご紹介する漬け丼は、血流を良くして代謝アップを目指します。
代謝アップ小丼の具材
青魚を使った"漬け"は、刺身をタレ(醤油、みりん、酒)に漬け込み、ゴマをたっぷりまぶし、ワサビをのせたものです。これをアツアツのごはんにのせて食べます。代謝アップへの効果については、以下で詳しく説明しましょう。
青魚
青魚とはサバ、イワシ、アジ、サンマ、マグロ、ブリのような青背の魚をいいます。
冬が旬のブリは「イナダ→ワラサ→ハマチ→ブリ」と成長と共に名称が変化する出世魚です。冬の寒い時期には脂ののったブリが食べられます。"脂のりのいいブリ"と聞くと「ダイエットの敵!」と感じる方も多いかもしれませんが、青魚に豊富なオメガ3系脂肪酸は常温で液体、冷たい環境でも固まることがなく、血流の改善に働くと考えられている脂肪酸です。いずれも人間は合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
また、これらの脂肪酸を効率的に摂取するためには加熱調理ではなく生食が適しています。脂肪酸の構造が不安定なため非常に酸化しやすい性質があるからです。
ゴマ
前述の通り、せっかくの魚油も酸化してしまうと体にとっては有害です。ゴマのビタミンEには強い抗酸化作用があり、オメガ3系脂肪酸の酸化を防ぐ作用があるのです。"青魚にゴマをまぶす"というおいしい組み合わせには、栄養学的な意味もあったのです。
ワサビ
脂ののったブリには、多めのワサビを組み合わせます。ワサビの辛味成分であるイソチオシアネートには強い殺菌作用があり、食中毒を防ぐ働きがあります。
簡単アレンジ
福岡にはゴマサバという料理があります。ここで言う"ゴマサバ"とはサバの種類ではなく、サバを生のままタレに漬け込んでゴマをたっぷりかけた料理のことです。サバは傷みやすいため、東京ではカンパチに置き換えられることが多いようです。福岡では、ゴマサバもゴマカンパチも3段階の味変を楽しみます。まずはお酒の肴としてそのまま食べ、その後、あつあつのごはんにのっけて丼のようにして食べ、最後には熱いお茶をかけてうっすら白色になった魚をお茶漬けとしてサラサラと食べます。ここでご紹介する簡単アレンジも"お茶漬け"です。良質な油の摂取源としては大変優れている刺身も、生物を食べること自体は身体を冷やしてしまいます。熱いお茶漬けは寒い朝の身体をポッと温めてくれるでしょう。
ぜひ一度、お試しください。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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