【飲み会の季節に必見】悪酔い・飲みすぎ予防!アーユルヴェーダに学ぶ「お酒のたしなみ方」
冬はイベントシーズンでお酒を飲む機会が増えます。今回は、前回の「食べ過ぎ対策」に続いて「飲み過ぎ対策」です。周りを見てみると、「食事には気を使っているけどお酒がなかなかやめられない」という人も多いようです。そこで、アーユルヴェーダから見たお酒とは?飲みすぎたらどうすれば良いか?などをアーユルヴェーダ著者のアカリ・リッピーがご紹介します。
お酒とアーユルヴェーダ
パーティーや食事会でお酒を飲む機会が増える季節。「飲み過ぎは体に良くないと思うけど、適量であれば良いのでは?」
「ワインにはポリフェノールが含まれているから体に良いと聞いた」など、お酒に対して「良い」という意見も「悪い」という意見も聞いたことがあると思います。
アーユルヴェーダでは、5000年以上前からアルコールとの付き合い方について注意をするよう呼びかけています。その1番の理由は、お酒の性質にあります。アーユルヴェーダでは、植物や食べ物が持つ「性質」によって、私たちの心身が影響を受けると考えます。
お酒の性質は「軽い」「熱い」「鋭い」「酸性」「全身に素早く広がる」というものです。どういうことか例を挙げると、お酒を飲むと体のエネルギーが奪われ、体は熱くなり、精神は乱される…というような影響があります。
これらの性質は「オージャス」と正反対の性質で、その点からお酒が危険なものであることがわかります。
オージャスとは、アーユルヴェーダ特有の概念で「体を病気から守るエネルギー」と言われています。オージャスは食べたものから作られ、私たちに元気と活力を与え、精神的にも穏やかに、幸福感を感じるようにします。先ほども書いたように、
そのオージャスの性質と、お酒の性質は反対なのですが、アーユルヴェーダでは「相反するものは減らしあう」という理論があるため、「お酒がオージャスを減らしてしまう」ということになるのです。
オージャスが減るということは、オージャスの働きと逆のことが心身に起こるということですがら、「病気になりやすくなり(例えば風邪をひきやすくなる)」「やる気を無くさせ」「興奮や中毒を与え」「虚しさや無力感を与える」ということです。
現代的にもお酒の過剰摂取は、体内のほとんどの臓器に負担をかけ、また、脳の萎縮を早めると言われています。もちろん精神的にも影響があるのは言うまでもありません。そのため、飲む量やタイミングには十分注意すべきなのです。
アーユルヴェーダ流!お酒と付き合う際のアドバイス4選
前半では、お酒の心身に与える影響について触れましたが、とはいえ、お酒を飲む機会がある方も多いはずです。そこで、お酒を飲む場合には、ぜひ次の4つのポイントを押さえてください。
1、レモン白湯
まず、お酒を飲んだ後のケアですが、お酒を分解するのに消化力が必要なため、レモンで消化力のサポートをしましょう。レモンの酸味は二日酔いの吐き気にも効果があります。作り方は簡単です。コップ1杯の白湯にレモンを適量絞り、そこにあれば岩塩を1つまみ加えて完成です。夜寝る前と、翌朝にも飲むと良いでしょう。岩塩も体で失われたミネラルを補給する役割と、排泄を促進する役割があります。ミネラル補給のためにも、ミネラルの豊富な塩を選びましょう。
2、ターメリック
お酒を分解する臓器といえば肝臓が有名ですが、肝臓に良いスパイスといえば「ウコン」が有名ですね。ウコンはターメリックのことで、スーパーでも手に入る身近なスパイスです。何も、ウコンが入ったサプリなどを買わなくても、簡単に安価でターメリックを買うことができるので活用しましょう。ウコンには肝臓の細胞を若返らせる働きがあると言われています。
家でお酒を飲むのであれば、食事に1〜2つまみ、ターメリックをかけても良いですし、料理に使うのが慣れていない方は、白湯に混ぜて飲んでも構いません。ターメリックは辛味がなく、苦味と少しの甘みがある、比較的どんなメニューにも合わせやすい味をしています。
しかし、入れすぎると苦くなるので、まずは数つまみだけ入れて、味見をしながら足してください。また、どんなスパイスでも体に良いと思って取りすぎると逆効果ですから注意してください。
3、消化力が弱いときに飲まない
続いては、お酒を飲むタイミングについてですが、消化の力が弱っているときにお酒を飲むと、お酒は強力な毒になるとアーユルヴェーダでは考えます。お酒の分解には非常に多くの消化力を使うので、お酒を飲んだ後に、眠くなったり、翌朝にだるくなりますよね。そのため、消化力が十分に強い人でないとお酒を飲むべきではないと考えます。
例えば、以下の項目のどれかが当てはまるならお酒を飲むのを控えるべきです。
・お腹が空く感覚があまりない
・ゲップがたくさん出る
・お腹にガスがたまって張っている
・便秘や下痢である
これらは消化力が弱っているサインですから、きちんとした空腹感があり、排泄がスムーズになってから飲むようにしましょう。
4、チェイサーを白湯で飲む
最後に紹介するのは、お酒を飲んでいる時のポイントです。お酒を飲むときに一緒に飲む飲み物を「チェイサー」と言いますが、
チェイサーには白湯を選びましょう。白湯は内臓を温め、消化力をキープしてくれます。また砂糖やカフェインも入っていないので、消化に余計に負担をかけません。
一般的にチェイサーは冷たい水や、ジュースなどが飲まれるのですが、冷たい飲み物は内臓を冷やし消化力を下げますし、砂糖やカフェインが入った飲み物は、その分解にさらに体力を使ってしまいます。チェイサーには白湯がベストなのです。
ちなみに、お酒を飲みながら白湯を飲むときは「お酒と同量以上の白湯を飲む」とルールを決めておくと良いです。なぜなら、そんなに水分ばっかり飲めないので、相対的にお酒を飲む量が減るからです。また、アルコールの分解には水分をたくさん使いますから、お酒と同量かそれ以上の水分補給をすることは、アルコールの分解にとっても重要なことです。
今回紹介した方法は、どれもとても簡単で、お金もほとんどかからない方法です。お酒をストレスを溜めて我慢するより、
まずは今より少し飲んでる量が減ったり、少し消化力を高めることを目指して、チャレンジしてみてください。
AUTHOR
アカリ・リッピ―
アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。
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