前屈苦手な人はやってみて!吐く息を利用して前屈を徐々に深める「魔法の呼吸術」
中村尚人先生が、柔軟性がアップする=ポーズが深まる呼吸術を伝授してくれました!
吐いたら前屈したくなる、吸ったら反りたくなる
ポーズを深めたいとき、息を吸う?それとも吐く?実はポーズによって変わります。たとえば前屈なら「吐く」、後屈なら「吸う」ほうが深まります。それは、吸うとき、吐くときで働く筋肉が変わるから。
呼吸に関わる筋肉は下図参照。普段の呼吸では、ほぼ横隔膜だけが使われますが、呼吸が大きくなるとさまざまな筋肉が動員されます。「呼息筋」は胸郭を下げる(閉じる)筋肉。息を吐くとお腹側が縮まるので前屈しやすくなります。反対に「吸息筋」は胸郭を上げる(広げる)筋肉。息を吸うと脊柱が伸展するので反りやすくなります。
側屈と回旋は、片側が縮まり反対側が伸びた状態なので「吸う/吐く」どちらでもOK。ただしキープして深めていくなら「吸う息を意識したほうが、体が伸びていくのでポーズは快適にとれますよ」と中村先生。
こうした呼吸と動きの組み合わせをうまく利用することで、いつもより深く、気持ちよくポーズがとれるようになります。ちなみに、ポーズを深めるためには頑張らないことも大事。頑張ると体を硬くします。「浄化法」をアーサナの前に行って、体をゆるめておくこともおすすめです。
呼吸を利用して「体の動き」を深める
吸う・吐く、どちらを強調するかでポーズのやりやすさが変わります。前屈、後屈、回旋、側屈を例に、ポーズが深まる呼吸法を実践しましょう。キープ中の呼吸がポイント!
”吸う・吐くの強弱をつけた呼吸をポーズの深まりが感じるまで繰り返して!”
前屈ポーズは「吐く」を強く
体を丸めていく前屈は吐く息で深める
前屈ポーズは「吐く息」で深めていきます。息を吐くと、腹筋群など胸郭を下げる筋肉が同時に働き、体は屈曲する方向に自然に動きます。「吐く~」で屈曲を促進しながら、前屈を徐々に深めていきましょう。
HOW TO
①両足で床をしっかり踏んで、頭頂を引き上げたターダーサナで立つ。息を吸い入れる。
②吐いて前屈。お腹と腿を近づけて、両手を床につく。膝が曲がってもOK。
③吐く息を意識しながら徐々に前屈を深めていく。前屈の角度に合わせて手の位置も変える。
[ウッターナーサナ]
①②まで自然呼吸⇒③に入ったら…吐く~(強)⇒吸う⇒吐く~(強)⇒吸う
◎呼吸のPOINT
強く吐くために、喉の奥を締めたり、すぼめた口から吐くのもOK。一方、吸う息は、強く吐いた反動で勝手に入ってくるイメージで。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。TAKT EIGHT主宰。理学療法士の知識と経験を生かした指導で人気。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し、指導者育成、執筆活動、講演等幅広く活動中。
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