栄養豊富?知られざるブルーベリーの可能性|健康効果についての噂を科学的根拠をもとに解説

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栄養豊富?知られざるブルーベリーの可能性|健康効果についての噂を科学的根拠をもとに解説

夏が旬であるブルーベリーは、小さい果物にも関わらずさまざまな栄養が含まれているといわれています。さらに体にとって嬉しい効果もあるとメディアに取り上げられています。しかし、それは本当なのでしょうか?そこで、ブルーベリーの健康効果について科学的根拠をもとに解説します。

そもそもブルーベリーとは?

ブルーベリーはツツジ科に属する植物であり、アメリカ原産国の小果樹です。

欧米では昔から野生のブルーベリーを食しており、20世紀の初めより品種改良が始まり広く栽培されるようになりました。

春になるとスズランのような釣り鐘状の白い花が咲きます。夏になると果実ができ、緑、赤、青と色を変化させて最終的に紫黒色(青藍色)になります。秋になると葉が赤色となり、紅葉を楽しむことができます。

ブルーベリーの旬は品種によって異なりますが、6月から9月頃であるといわれています。

また、ブルーベリーに含まれている栄養は、アントシアニンや食物繊維、ビタミンなどが含まれています。

ブルーベリー
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ブルーベリーが持つ健康メリット

ブルーベリーを使用したサプリメントがあることから、「目の健康に良い」というイメージを抱く方も多いかもしれませんね。

さらにブルーベリーは健康に良い影響があると言われていますが、その効果には十分な根拠があるとは限りません。

そこで、ブルーベリーの健康効果について国内外の研究をもとに検証していきましょう。

1)認知機能の改善に効果があるって本当?

認知機能とは?

認知機能とは理解や判断などといった脳の機能のことをいいます。認知機能というとなんとなく「認知症」のイメージを抱く方も多いかもしれません。実際に認知症における障害の程度を表すために認知機能が用いられるようです。

認知症とは、判断力低下や記憶障害といった認知機能の障害により日常生活を送ることが難しくなる病気のことです。脳の病気や障害などによって発症し、高齢になると発症しやすくもなります。

ブルーベリーによる認知機能への影響

7〜10歳の健康な子供と60歳以上の健康もしくは軽度の認知障害のある成人を対象とした研究をまとめた報告によると、ブルーベリーを摂取する子供は摂取しない子供と比べると短期間で実行機能と記憶力にプラスの影響を与えることが分かっています。

一方で、60歳以上の健康な成人を対象とした研究でははっきりとした結果は得られませんでしたが、60歳以上の軽度の認知障害のある人を対象とした研究ではブルーベリーの粉末を約4〜6ヶ月間にわたり摂取したことでエピソード記憶にプラスの影響があるという結果が得られました。

このことから、ブルーベリーは認知機能に部分的にプラスの影響を与えると考えられます。ただし、ブルーベリーによる認知機能へ影響のメカニズムは明らかになっていません。

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2)高血圧を予防する効果があるって本当?

高血圧とは?

高血圧は血圧が高い状態のことをいいます。血圧とは動脈という血液を心臓から全身に送り出す血管の内側の壁を押す力のことです。

高血圧は自覚症状がなく自分で気づくことが難しいため、定期的に検査して注意していくことが必要でしょう。

高血圧となる最大の原因は食塩の摂り過ぎといわれいます。それ以外にも、飲酒や運動不足などの生活習慣も関わっています。

高血圧を放置していると血管が厚く硬くなった状態である「動脈硬化」となり、心臓病や脳血管障害などといった病気につながるリスクが高くなるため予防することが重要です。

ブルーベリーによる血圧への影響

ブルーベリーによる血圧への影響についてはさまざまな研究が行われています。

そのなかでも高血圧もしくは高血圧予備群である閉経後の女性を対象とした研究では、ブルーベリージュースを8週間摂取したところ血圧が低下したと報告しています。

一方で、健康な成人を対象とした研究ではブルーベリーもしくはブルーベリーの粉末を7日間摂取したところ血圧に影響はなかったと報告しています。

このように、対象者や摂取期間が異なるためブルーベリーが高血圧予防に効果があるとははっきりとお伝えできませんが、一部の対象者において長期間のブルーベリーの摂取は血圧に良い影響を与えるかもしれません。

3)血糖値を改善する効果があるって本当?

血糖値とは?

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことをいいます。

通常、血糖値は正常値よりも上がったり下がったりすると、ホルモンのはたらきにより正常値に戻すことでバランスを維持しています。

しかし、遺伝や生活習慣などの原因によりホルモンが不足したりはらたきが弱くなったりすることで、血糖値が下がらず高いままの状態である「高血糖」となります。この状態が長く続くと糖尿病などの病気を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

また、糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病がありますが、一般的によく知られており患者数が多いのは2型糖尿病です。

ブルーベリーによる血糖値への影響

18歳以上の2型糖尿病の患者を対象に行われた研究をまとめた報告によると、ブルーベリーのエキスや粉末を摂取すると空腹時血糖値や食後血糖値が低下するという結果が得られました。ただし、12週間にわたりブルーベリーを摂取すると血糖値に影響は見られないようです。

このことから、ブルーベリーの摂取は短期間だと血糖値の改善に役立ちますが、長期間になると血糖値が改善する可能性は低いことを示唆しています。

ブルーベリー
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このように健康に良いと紹介されていても、研究によって結果にばらつきがあったり明確に効果があると言えなかったりする場合もあります。

現時点では、ブルーベリーは私たちの健康に役立つ可能性を秘めていると考えられます。

今後の研究が進んでいき、ブルーベリーの効果がより明らかになっていくかもしれません。

しかし、私たちが健やかな生活を送るには、規則正しい生活習慣や栄養バランスを良い食事をすることを忘れないでおきたいですね。

【参考文献】(すべて2022年8月24日閲覧)

一般社団法人 日本ブルーベリー協会「ブルーベリーの基礎知識」

厚生労働省、e-ヘルスネット「認知機能」

厚生労働省、e-ヘルスネット「認知症」

S Hein et al. Systematic Review of the Effects of Blueberry on Cognitive Performance as We Age. J Gerontol A Biol Sci Med Sci . 2019 ;74(7):984-995.

厚生労働省、e-ヘルスネット「高血圧」

S Vendrame et al. The Role of Berry Consumption on Blood Pressure Regulation and Hypertension: An Overview of the Clinical Evidence. Nutrients. 2022 Jun 29;14(13):2701.

厚生労働省、e-ヘルスネット「血糖値」

DMUP Rocha et al. Effects of blueberry and cranberry consumption on type 2 diabetes glycemic control: A systematic review. Crit Rev Food Sci Nutr. 2019;59(11):1816-1828.

 

AUTHOR

一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。

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