【脇が黒くなる原因とは?】脇の自己処理の注意点、黒ずみの予防と改善法|美容皮膚科医が解説

 【脇が黒くなる原因とは?】脇の自己処理の注意点、黒ずみの予防と改善法|美容皮膚科医が解説
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脇のケアが欠かせない夏。頻繁な脱毛・除毛で気付くと脇が黒ずんでしまっていることも少なくないのでは。今回は、そんな脇の黒ずみについて東京ブランシェクリニックの鈴木三奈先生にお聞きしました。正しいわき毛の自己処理法はもちろん、身体の内側から働きかける予防・解消方法まで。セルフケアを今すぐ見直してみませんか。

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黒ずみの原因は間違った自己処理とターンオーバーの乱れ

――まずは、脇が黒ずんでしまう原因から教えてください。

鈴木先生:黒ずみには2つ、原因があります。皮膚が黒ずむ場合と毛穴が黒ずむ場合。まず、皮膚が黒ずむのは色素沈着ですね。皮膚に刺激があたるとメラニン色素というシミと同じ茶色の色素が詰まってしまい、周りの皮膚も黒く見えてくるというもの。そして、毛穴の黒ずみというのは、毛穴のなかに詰まった皮脂が角栓のようなものになり、それが空気に触れると黒く変わり、毛穴が黒く見えてしまう、というものです。

――皮膚への刺激というのは、どういったものが挙げられますか。

鈴木先生:一番多いのは、カミソリや毛抜きでの自己処理ですね。カミソリを使うと皮膚に細かい傷が付いてしまいますから。あとは、スクラブ入りのボディソープ。洗浄力が強いので黒ずみの解消にも繋がりますが、頻繁な利用は肌への刺激という部分で逆に黒ずみの原因になってしまうことも。使うのであれば毎日ではなく、週に1度くらいがおすすめです。夏は、制汗剤やデオドラントシートの使い過ぎも刺激になってしまうので注意が必要かと思います。

制汗剤
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――もう一つの原因、毛穴の黒ずみについても詳しく教えてください。

鈴木先生:通常だとターンオーバーといって、古い皮膚が垢のようにぽろぽろ落ちて毛穴にたまらないはずなんですが、何らかのストレス。睡眠不足や栄養不足でターンオーバーが乱れてしまうと、どんどん皮脂や角質がたまり、それが空気に触れることで毛穴が詰まって見えてしまう。あとは、単純にクレンジング不足で毛穴に汚れが残っている、ということも考えられます。

脇は、匂いや汗を出すアポクリン腺が多くあるので、顔や他のパーツよりも汚れがたまりやすい部分です。その分、汚れも残りやすくなっていると考えていただくといいと思います。

黒ずみ
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――汚れをしっかりと落とすためのポイントは?

鈴木先生:あまり長い時間ずっとゴシゴシこするのは、それ自体が刺激になって逆効果です。肌への負担が少なく、洗浄効果が高い泡洗浄がおすすめです。短時間であまり刺激をせず、洗いあがりには保湿をする。それが、黒ずみ予防の基本です。

――妊娠中や産後に脇が黒くなってしまい悩んでいる、という声もよく聞きます。このケースの原因は女性ホルモンの乱れ、ということでしょうか。

鈴木先生:そうですね。その時期は乳輪なども黒くなると思いますが、永久的なものではなく、授乳を終えるともとに戻ってきます。焦って黒ずみを薄くしようとは思わず、少し時期を待っていただけたらいいのかなと思います。

わき毛の自己処理には除毛クリームや脱毛器を

――黒ずみを作らない自己処理方法についても教えてください。自分で脱毛・除毛するときに気を付けるべきポイントはありますか。

鈴木先生:自己処理には4つほど方法があります。まずはカミソリ、そして毛抜き、除毛クリーム、市販の除毛器や脱毛器ですね。なかでも、黒ずみを作りにくいのは、除毛クリームと脱毛器や除毛器だと思います。カミソリや毛抜きは費用も安く、手軽に出来ますが、一生涯続けていくとなるとずっと黒ずみと付き合っていくことになり、あまりおすすめできません。

除毛クリームはタンパク質を溶かして毛を無くすものですが、肌へのダメージを少なくするためにも塗る時間を必ず守ること。敏感肌の方は保湿成分が入ったものを選ぶといいのかなとも思います。除毛器や脱毛器については、洗えるタイプ。使っているうちにどうしても汚れが出てきてしまうので、清潔に使えるものを選んでいただきたいです。

いずれにしても、清潔にして保湿することが大切ですね。逆に、そこがきっちり出来ればカミソリや毛抜きを使っていただいても本当は大丈夫なのかなと。処理したあとのケアを、より意識してもらえたらと思います。

脇クリーム
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――自己処理のあとのケアには、どんなアイテムを選ぶといいのでしょうか。

鈴木先生:保湿は、ご自身のお好きなもので大丈夫です。皮脂や角栓などの毛穴づまりによる黒ずみが気になるという方には、それを予防するという意味ではビタミンCが入っている化粧品やクリームがおすすめです。

――サプリメントなども効果的でしょうか。

鈴木先生:そうですね。皮脂や角質を抑えたいのであれば、ビタミンB2やB6を摂っていただくといいかもしれません。サケやマスなど魚の赤身やレバー、それに加えてビタミンB2だとウナギや納豆。B6だとピーナッツなどを取り入れていただくといいと思います。皮膚科で処方される内服薬もおすすめです。黒ずみの予防や解消だけでなく、全体的なアンチエイジングにも繋がっていくと思います。

サプリ
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黒ずみ解消にも洗浄&保湿。すぐに薄くしたいときはピーリング

――すでに出来てしまった黒ずみの解消法には、どんなものがありますか。

鈴木先生:基本的には予防と同じですね。ケアの仕方が間違っていたり、保湿が十分に出来ていなかったりすることが原因ですので、洗浄して保湿というケアの仕方を見直してもらえれば、もとに戻っていくと思います。

ただ、ドレスを着たり、プールに行ったり。すぐに解消したいという事情があるなら、皮膚科やサロンでピーリングを受けるという方法もあります。1回の施術で綺麗になりますが、1カ月程度でもとに戻ってしまうので、ずっと続けないといけないのがデメリット。緊急的に処理が必要なときには一つの手だと思います。

――洗浄と保湿を心がけて、皮膚のターンオーバーを促すことが一番の予防・解消法ということになりますね。

鈴木先生:そうですね。特に夏は汗をかくことが多く、脇に汚れがたまりやすい季節。汚れが残っているなかで、自己処理の刺激が加わるなど悪循環になりやすいのも黒ずみを作ってしまう原因だと思います。生活習慣の見直しで予防出来るものでもありますので、ストレスをためないこと。睡眠不足を補ったり、栄養を摂っていただいたりも大事なのかなと思います。一番は、洗浄と保湿をしっかりすること。刺激を与えすぎないことですね。

教えてくれたのは…鈴木三奈先生

鈴木三奈先生

東京ブランシェクリニック医師。美容外科、美容皮膚科医として13年の実績があり、多くの女性から支持されている。女性の悩みに寄り添いながら、適格なアドバイスと確かな技術力に定評がある人気の医師。

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Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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