近年再注目されている【シスターフッド】に学ぶ、大人女性の人間関係の築き方|臨床心理士が解説
1960年代〜1980年代にアメリカで行われていた女性解放運動・ウーマンリブの時代に生まれた言葉【シスターフッド】がここ数年で再注目されています。その概念と大人の女性の人間関係の築き方について求められることを心理学の視点からお話します。
女性同士の人間関係を考える上で注目したい【シスターフッド】とは?
シスターフッドとは、女性同士の連帯やつながりのことを示す概念のこと。近年巻き起こった #MeToo運動などをきっかけに、様々なメディアやファッション業界などでも幅広く取り上げられるようになりました。女性同士のつながりというと、『どんな時でも一心同体』という感じを連想されがちですが、シスターフッドはそうではありません。愛や友情などの感情的な結びつきに関わらず、ある事柄について共感できるなら共有する、つまり『これは理解できないけど、これについてなら賛同できる』というようなことや、関係性は問わず『同じ目標を持っているなら一緒に頑張ろう!』というような結びつきを表しています。
シスターフッドを心理学的に読み解くと?
こうした女性の人間関係の築き方を考えるヒントとして、心理学では【チャムグループ・ピアグループ】という概念があります。チャムグループとは、思春期の中学生に見られる『いつでもどこでも一緒』という親密さや、『みんなと同じでなければおかしい』という排他的な関係のこと。一方でピアグループとは、高校生以上に見られる、自分と相手との違うところも受け入れられる関係性のこと。また『自分らしくあること』について、自分はもちろん、相手に対しても大切にします。こうした点から、シスターフッドはピアグループと近い考え方を持っていると言えるでしょう。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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