更年期の不調を漢方でケアするには?台湾発漢方ライフスタイルブランドDAYLILYに聞いた
女性の体を持って生まれてきたのであれば、ある年齢の誰もが通る更年期。個人差はあるものの、この時期に女性は様々な体や心の不調・変化を感じることが多いと言われます。今回は漢方で女性のバイオリズムに寄り添うライフスタイルブランド『DAYLILY(デイリリー)』の共同創業者兼CEOの小林百絵さんに”漢方と更年期の不調”についてお話を伺いました。更年期真っ只中の不調を改善したいという方はもちろんのこと、今から予防や変化に備えたいという方は必読です。
更年期の不調をケアするためには”腎”の機能を補う
—— 漢方では更年期の原因はどのように考えられていますか?
百絵さん: 漢方で更年期を考えるために大切なキーポイントが”腎”です。腎とは、成長や発育、生殖等の働きを左右する「生命力の源」で、泌尿器系、生殖器系、ホルモン系、免疫系など幅広い臓器も含まれます。
腎はわたしたちが普段元気でいるために必要な臓器や機能を含むものですが、年齢とともに衰えてしまうといわれています。
—— 腎の機能が低下することが更年期の不調につながるということですか?
百絵さん: そうですね。また腎の機能が低下することによって、陰陽のバランスも崩れるといわれています。年齢を重ね「腎」が弱まると「陰」も弱まり、陰陽のバランスが崩れやすくなり、身体の中の潤いが不足します。陰は体を潤して、余分な熱を冷ます作用がありますが、弱まることで体が熱を持ちやすくなってしまうんです。これが、更年期の不調でよく言われるホットフラッシュやほてりなどを招いてしまうともいわれています。
—— 腎の機能が弱まると陰も弱まる…つまり、腎をケアしてあげることが漢方での更年期の不調へのアプローチ方法なのでしょうか?
百絵さん: そうですね。例外もありますが、腎の機能を補う”補腎(ほじん)”をすることが一般的な漢方での更年期の不調ケアになります。
腎の機能の老化は防げる?
—— 具体的にはいつから腎の機能が弱まりはじめるといわれていますか?
百絵さん: 漢方の世界では、女性は7の倍数で変化するという考え方があります。元気の源となる腎の機能を含めて、女性の成長や発育は28歳でピークを迎えその後弱まっていくといわれているんです。一般的に更年期にあたる、42歳や49歳という年齢からは特にそういった変化を感じることが多いのだと思います。
—— 28歳から!確かに20代前半には感じなかった体の疲れなど変化を感じる方は多いかもしれませんね。ちなみに男性は腎の機能は老化しないのですか?
百絵さん: 男性は8の倍数で変化するといわれていますが、女性に限らず男性も腎は年齢とともに衰えていきます。男性の方で「ちょっと疲れやすい」「目がかすむ」「腰や膝が痛む」という方は腎の機能をケアしてあげると緩和できるかもしれません。
—— 補腎を始めるのはいつ頃から始めれば良いのでしょうか?
百絵さん: 腎は年齢とともに機能が落ちてくるものなので、症状を感じてからというよりかは少しでも「疲れやすい」「ほてりやすい」などと感じることや、「いつもと違う」と感じることがあれば、未病的なケアとして早めに始めるのがおすすめです。
—— 腎の機能が落ちてくることは仕方のないことなんですか?
百絵さん: 腎機能の老化を防げないわけではありません。一般生活で補腎するとしたら「黒い物を食べると良い」と言われてます。例えば、黒ごまや黒きくらげなど。ただし、黒ごまなどをたくさんの量食べることって一般的にそう多くないと思うので…。
効率良く補腎するなら?
—— 確かに量を摂るのは続けるのも大変ですね…もっと簡単にできることはありますか?
百絵さん: 効率よく補腎をするなら、漢方では動物性の生薬や和漢素材が良いといわれています。例えば、鹿の角や、亀の甲羅など…けれど、これらは普段のお食事から摂ることは難しいかもしれません。簡単にこれらを取り入れるのであれば、漢方薬やサプリメントをセルフケアとしてとりいれるのがおすすめです。
—— DAYLILYの補腎ができる更年期ケア商品はありますか?
百絵さん: 更年期に一番おすすめの商品は『EMPOWER YING-YANG ESSENTIALS 衡量陰陽龜鹿丸』です。補腎に効果の期待できる亀の甲羅やシカの角、トナカイの角など動物性の10種類の和漢素材を丸剤にしたアイテムです。
—— 普段のお食事などからでは摂取できないような和漢素材が含まれていますね。これから効率的に補腎ができそうですね。
百絵さん: ネーミングにあるように陰陽のバランスを整えてくれるもので、ほぼ匂いはありません。お水やぬるま湯でお召し上がりいただくか、そのまま噛んで摂取することもおすすめです。噛んでもあまり苦くなく、より早く吸収されます。
—— 日本でイメージするような漢方特有の苦味などがないのはいいですね。
百絵さん: 漢方というと、どうしても「飲みづらい」というイメージがあると思いますが、台湾のように、日本でも美と健康を支える”おまもり”として生活の一部になってほしいなという願いから、無理なく続けられるものを届けたいと思っています。
—— 生活の一部としてケアができるのは理想的ですね。
百絵さん: わたしたちの商品の中でも一番人気の『EAT BEAU-TEA ~ My Favorite Things ~』という食べられるお茶も、更年期ケアとしておすすめです。こちらには黒豆とナツメと龍眼が入っています。黒豆は補腎効果が期待できますし、ナツメも更年期世代の方にが積極的に摂っていただきたいものです。こちらは”食べて飲める”ということがとてもご好評いただいていて、例えば朝食として、また寝る前にノンカフェインティーとしてお楽しみいただけたり、皆さんの生活に寄り添っていけるのではないかと思います。
—— 朝食や就寝前のリラックスタイムなどわたしたちの日常に無理なく根付いてくれそうですね。
百絵さん: EAT BEAU-TEA ~ My Favorite Things ~でナツメを摂ることもおすすめですが、ナツメ単体で摂るものいいと思います。
台湾では更年ケアやエイジングケアとしてナツメを摂っている方は多く、ナツメは年齢問わずに摂って損はないものですね。漢方の世界では「1日に3個のナツメを食べると老けない」という言葉があるくらいすごいものなんですよ。
わたしたちの販売している『Jujube 棗』は、ウイグル産のナツメで、残留農薬検査をクリアしているので、皮ごと安心してお召し上がりいただけます。 ドライナツメですが、とてもふかふかしているのが特徴です。一粒がとても大きく、自然の甘みをたっぷり感じられて満足感がありご好評頂いています。そのままおやつとして摂っていただくのもいいですし、台湾ではスープや火鍋に入れるのは定番の食べ方です。自然な甘みが広がりとても美味しいですよ。また、切って頂いて間の種を取り除いて間にクリームチーズを挟み、ちょっとしたスイーツとしてなど色々な楽しみ方をしていただけると思います。
—— 日本では「漢方」と聞くと飲みづらいといったイメージを持つ人が多いですが、これなら楽しく漢方を生活に取り入れられそうです。
百絵さん: 日本では「漢方=薬」と思っている方も多いのかもしれません。DAYLILYが生まれた台湾など中医学が主流の国では、漢方が一般生活に寄り添っています。もちろん薬として摂ることもありますが、食事やちょっとしたお茶から美味しくとっていくということが日常的にされています。例えば、薬膳スープなどはお食事として台湾では食べられていますが、ナツメや当帰など様々な漢方素材が入っています。医食同源の世界ですね。
ライター取材後記
「漢方で更年期の不調をケア」と聞くと、つい苦くて飲みづらいものということをイメージしてしまいがちです。けれど、自然の恵みからなる漢方はもっとわたしたちの生活に寄り添ったもの。なぜなら、私たち自身が自然の一部であるから。DAYLILYでは、そんな漢方とわたしたちの距離を近づけてくれるような気がします。今の生活を続けながら、漢方で無理なく更年期の不調や変化、また自分や周りの大切な人の健康や美をサポートできたらいいですね。
取材協力: DAYLILY 共同創業者兼CEO 小林百絵さん
北海道出身。慶應義塾大学卒、同大学大学院を修了し、広告代理店に入社。退社したのち、台北で漢方薬局を営む父を持つYi-tingと共に、漢方のライフスタイルブランド「DAYLILY」を台湾で創業。2018年に台北の漢方薬局内に旗艦店を置き、現在は日本に6店舗(誠品生活日本橋店、有楽町マルイ店、渋谷ヒカリエ店、ルクア1100店、心斎橋PARCO店、博多マルイ店)を構える。
instagram:@mooee.tw
公式HP: DAYLILY
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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