デンマークに学ぶ「新しいことのはじめ方」ニールセン北村朋子さんインタビュー | 前編
<日常に埋もれた感覚を掬い上げる>をキーワードに、さまざまな領域で活動される方へのインタビュー企画。大人になると、いつのまにか「当たり前」として意識の水面下に沈んだ感覚たちを、一旦立ち止まり、ゆっくりと手のひらで掬い上げる試みです。第4回目にお話を伺ったのは、デンマーク・ロラン島在住のCultual Translator、共生ナヴィゲーターのニールセン北村朋子さん。インタビュー前編です。
デンマーク・ロラン島在住の*Cultual Translator(*文化の架け橋となる役割)、共生ナヴィゲーターとして活動されているニールセン北村朋子さん。デンマークに住んで20年、これまでにも国を超えて数々のチャレンジをされてきました。そんな朋子さんに「新しいことのはじめ方」のヒントを伺ってみます。
ーー現在は、*フォルケホイスコーレ(*デンマーク発祥の全寮制の成人教育機関)の立上げに、理事として参加されていますよね。新しいことをはじめる時の、デンマークの人たちの反応や、ご自身の気持ちはいかがですか?
デンマークは、新しいことをはじめるのはやりやすい国かなと思います。たとえば、私たちが「新しくフォルケホイスコーレを作りたい」と言った時も「あ、いいね!」と言ってくれる人もいれば、「ちょっとそれは無理じゃない?」という反応の人もいました。だから反応の種類自体は日本とあまり変わらないのかもしれません。
ですが、デンマークでは頭ごなしに否定する人はあまりいないように思います。否定ではなく、「なんでまたそんな難しそうなことにチャレンジするの?」という、興味や好奇心の方に関心が向く。それは小さい時から会話にタブーがなく、自分の思うことをなんでも言える雰囲気の中で育っているからだと思います。だからこそ、人はみんな違うんだということも知っているのではないでしょうか。
ーー私もデンマークに行った時に、私が何者であるかより、どういう状態や気持ちかという”人間そのもの”に興味を持ってくれていたように思います。
デンマークでは、肩書きから入ることは少ないですよね。初めて会う時は、お互いにファーストネームしか名乗らないので気楽さもあります。そしてしばらく経ってから、「この人そんなすごい人だったの?」みたいなことも起こるんです。それに、ひとりで何役も担っていることが多いようにも思います。
AUTHOR
大河内千晶
1988年愛知県名古屋市生まれ。大学ではコンテンポラリーダンスを専攻。都内でファッションブランド、デザイン関連の展覧会を行う文化施設にておよそ10年勤務。のちに約1年デンマークに留学・滞在。帰国後は、子どもとアートに関わることを軸に活動中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く