「27歳症候群」って知ってる?誰しもが悩む人生の転機と乗り切り方とは|臨床心理士が提案
皆さんは【27歳症候群】という言葉を聞いたことがありますか?これは社会学者の常見陽平氏が『女子と就活 20代からの「就・妊・婚」講座』という著書の中で示した言葉で、若手とはいえないポジションになってきた若者たちが自分の人生を考える中で、婚活、妊活、転職、留学などを通して自分の人生をリセットしようとすることだそう。人生のターニングポイントともなる20代後半をどう乗り切るべきか。臨床心理士が解説します。
27歳を心理学的に紐解くと?
27歳というと、仕事にもだいぶ慣れていろんな面で自立する人が増え始める頃。ふと心の中にゆとりができはじめ、自分の生き方について真剣に考え始める機会も増えるのでは?筆者がヨガクラスやカウンセリングでクライエントさんたちと話している中でも、『今の仕事、このまま続けていいのかな』『結婚どころか彼氏もいなくて・・・一生一人かも』といった話題が上がることがあります。誰でも1度は自分の人生について真剣に考え始める27歳前後。一体どんな心理状況にあるのでしょうか。人の生き方を考える上でヒントになるのが、発達心理学者のエリクソンが提唱した【心理社会的発達理論】です。この理論では人の一生を年齢別に8つのステージに分け、それぞれのステージに起こりうる危機と、その危機を乗り切るための課題、危機を乗り切った時に得られるものを明らかにしています。27歳はちょうど成人期と呼ばれるステージ。この時の課題は【親密性】。自分というものがなんとなく分かってきて、そこから周囲(友人や恋愛、社会など)との親密な関係を築いていく時だと言われています。仕事であれば転職するかしないか、プライベートであれば結婚するかしないか、子供を作るか作らないかなど、どんな人間関係の中で生きていきたいのかを決めなくてはいけません。そこで直面する危機が【孤独】。自分の中で納得する人間関係が築けない、周囲と同じような生き方ができていない自分を目の当たりにして不安や焦りの気持ちを感じることも。27歳症候群とは、この時期に感じる心理的な戸惑いや葛藤を表した言葉なのです。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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