「家を離れることができなかった」キム・ベイシンガーが明かした病「広場恐怖症」とは

 「家を離れることができなかった」キム・ベイシンガーが明かした病「広場恐怖症」とは
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長坂陽子
長坂陽子
2022-05-03

80年代、映画『ナインハーフ』で大胆な演技と妖艶なルックスを披露、人気を集めたキム・ベイシンガー。トーク番組で広場恐怖症に苦しんでいたことを告白した。

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医学事典「MSDマニュアル」によると、広場恐怖症とは強い不安が生じた場合に容易に逃げる方法がなく、助けも得られない可能性がある状況や場所にいることに対して恐怖や不安を抱く状態。例えばスーパーのレジに並ぶ、映画館や教室で列の中央に座る、公共交通機関を使うなどした際に恐怖や不安を引き起こしてしまうという。

キムは「家を離れることができなかった。外に夕食を食べに出かけることも不可能だった」と振り返る。不安感が一体何なのかわからないまま闘わなくてはならなかったのは「本当にひどいことだった」と語っている。「自分の中で何かが完全にシャットダウンされ、すべてを再学習しなくてはいけないような感じだった」「車の運転も学び直さなくてはならなかった。何年もマリブのトンネルを通っていない。ガラスをスライドさせてドアを開けることにも、ドアを開けるために次の一歩を踏み出すことにもナーバスになった。何かをするのにどう動けばいいのか、それを把握するのが大仕事になった」と日常生活の基本的な部分ができなくなってしまったと話す。常に口が乾き、震え、ひどい疲労感に苛まれていたそう。

広場恐怖症は不安症の一種。この症状に苦しむ人の中にはパニック障害を併発している人も多く自分が広場恐怖症だとまだ把握できていない人もいるという。パニック障害は過度なストレスが原因で引き起こされるもので、アメリカでも日本でも増えている。苦しむ人の数は多くなってきているのに、メンタルヘルスの問題についてはまだまだ誤解も多い。カウンセリングやセラピーが日本よりも普及しているアメリカであってもその傾向は強い。例えばキムが症状として挙げた疲労感を「怠惰なだけ」「頑張りが足りない」と批判する人もいるとか。今回のキムの告白がパニック障害を始めとするメンタルヘルスの問題に対する偏見を払拭する後押しになることを期待したい。

キム・ベイシンガー
80年代、映画『ナインハーフ』で大胆な演技と妖艶なルックスを披露、人気を集めたキム・ベイシンガー(当時33歳)。
photo by Getty Images

 

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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