【春はお腹の不調を感じやすい】雑穀スーパーフードマイスターが選ぶイチオシ雑穀とオススメの食べ方
「便秘になったり、ガスがたまったりして苦しい…」春はお腹の不調を感じやすい季節です。そして、そんなスッキリしないため込みがちなお腹に悩んでいる人にオススメしたい食べ物が、雑穀の“押し麦”。日々の食事に取り入れやすい調理方法を、雑穀スーパーフードマイスターがご紹介していきます。
1年の中でも、寒暖差が大きい季節が春。
やっと暖かくなってきたと思ったら肌寒い日があったり、日によって気温がコロコロと変わると、疲れがドッと出てしまいますよね。この疲れは、体が寒暖差に対応しようとして、交感神経が優位な緊張状態が続いていることの影響が大きいです。多くのエネルギーが消耗されて、疲れ・だるさを感じやすくなっているのだと言われています。また、交感神経が優位なときというのは、腸のぜん動運動が鈍くなるため、便秘になったりガスがたまったりするなど、お腹の不調も感じやすくなるでしょう。
さらには寒暖差だけでなく、生活の変化によっても自律神経のバランスは乱れやすくなるため、春というのはお腹にとってちょっぴり過酷な季節だと言うことができるかもしれません。
では、スッキリしないため込みがちなお腹はどうしたらいいのでしょうか?
ポイントは、便やガスを押し出すために、腹部に筋力をつける運動を取り入れること。腸のぜん動運動を促すために、心身共にリラックスできる時間を設けること。それと、食べ物からのアプローチも欠かせません。そこでオススメしたいのが、今回のテーマ・雑穀の“押し麦”なのです。
押し麦って?
うるち種でもっともスタンダードな大麦。その大麦を精麦した後に、蒸してローラーで押し潰した雑穀が押し麦です。外食チェーン店でもよく見かけるようになった麦ご飯を思い出してもらうと、どのような雑穀なのかイメージしやすいでしょう。
そんな押し麦の注目すべき栄養は、歯や骨を作り、強くするカルシウム、ナトリウムの排出を促すカリウム、糖質・脂質の代謝に関わるビタミンB2などが、白米と比べて豊富だということ。それと“食物繊維”も忘れてはいけません。
押し麦には、水溶性食物繊維(糖質の吸収を緩やかにして、血糖値をコントロールする)と不溶性食物繊維(保水性が高く、腸のぜん動運動を活発にして便通を促す)がバランスよく含まれています。特に、水溶性食物繊維のβ-グルカンにおいては、善玉菌の増殖、悪玉菌の増加抑制に働くため、腸内環境を整える効果に期待できるでしょう。
茹でた押し麦が使える!
押し麦の食べ方としてオーソドックスなのは、米に混ぜて炊飯する調理方法。なのですが、押し麦は、味や香りに癖がなく、食べやすい雑穀でもあるため、さまざまな主菜・副菜との相性もいいのです。例えば、茹でた押し麦をサラダにトッピングしたり、炒め物・煮物・和え物に混ぜたり、ハンバーグやチヂミの生地に混ぜたりしても美味しく食べることができるでしょう。
それと、お腹がスッキリしなくてお悩みの人にイチオシなのは、朝、押し麦を加えたスープを飲むこと。朝は、大腸がもっとも動く時間だと言われているので、温かい汁物を取って、物理的に腸を温めてあげること+押し麦の食物繊維のダブルの力でスッキリとしたお腹を目指すといいでしょう。
その際、自分で作ったスープやおかず類に茹でた押し麦を加えてもいいですし、忙しいときは買ってきたものにちょい足しするだけでも、栄養価をグンと底上げすることができるため、“茹で押し麦”を調理しておくと何かと便利です。
茹で押し麦の作り方
1.鍋にたっぷりの水と少量の塩を入れて沸騰させたら、押し麦を入れて15~20分茹でる。
2.茹でた押し麦をザルに移したら、ぬめりがなくなるまで流水で洗い、水気を切る。
あとは、お好みでいろいろな料理に使ってみてください。
たくさん茹でたときは、ラップで包んで平らにし、冷凍庫で保存することも可能です(1週間を目安に食べ切りましょう)。
スーパーのお米売り場などでも購入できる身近な雑穀・押し麦。お腹がスッキリしなくて悩んでいる人は、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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