更年期の女性が夫に伝えてほしい「更年期障害の妻への接し方」
更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
更年期の女性が共感したらそのままパートナーに転送してください
ありがたいことに最近NHKあさイチや、Abema Primeに出演させていただきました。変化を感じるのはメディアの男性スタッフから「男性としてこんなことを聞きたい」という質問を寄せられるようになったこと。また出演者のゲストが男性陣ということもあり、その男性からも様々な反応を見られるようになったことです。
Abema Primeの男性陣は(株)KADOKAWA・(株)ドワンゴの社長である夏野剛さん、ハーバード大学卒の芸人のパックン、現LINEの執行役員を務めた田端慎太郎さんなどビジネス界ではバリバリの面々だったのですが、夏野さんが奥様に「何もわかっていない」と責められて大変だったとポロリとこぼされていたのが印象的でした。ビジネスマンで地位が高い人でも)、もしくは忙しいからこそこの問題は存在しており、かつこういった機会がご自身の問題も語りづらい世の中であることを痛感しました。
「更年期の妻は怖い。でも理解したい」と思っている男性がほとんど
あすか製薬の調査によると、女性特有の健康問題を理解したいと思っている男性は約8割にものぼります。しかし、理解したいと思いつつどうしたらよいのかわからないと思っている男性がほとんどです。夏野さんたちがおっしゃっていたのはまさに「腫れ物に触る感じ」。「何から聞けば良いか」「そういう話題が出たらどうしたらよいのか」ということに彼らは頭を悩ましていつつも、誰かに聞く場所がないのです。更年期で辛い女性は「いちいちそれを言わなきゃいけないの?」「それくらい察してくれよ」と思うかもしれませんが女性もやはり「きちんと言語化してわかりやすく伝えないと伝わらない」という現実問題があります。
更年期で機嫌が悪い妻に何をしたら良いのか
これは数多くのメディアから問い合わせされることであるにも関わらず、放送の関係や紙面の関係でカットされることが多い部分です。今回いくつかまとめてお伝えします。多くの女性が言われていたので、男性のヒントになればと思います。
1・更年期なんだけどあまり「更年期」と言わないで。
女性が自分で言うのは良いけど人に「更年期」でひとくくりするとモヤモヤするので「体調」を主語にする。最近体調どう?と聞くのはOK。
2・話をゆっくり聞いて
聞くというのは「傾聴」することであり、アドバイスは求められるまではしない。共感し、「大変だったね」とか、時に夫のことを言われたとしても「言ってくれてありがとう」と伝えるくらいの余裕を持ってください。
3・夫が「今妻のために何ができるか」をうまく引き出す
人によって、そっとしておいて欲しい場合もあれば、話を聞いて欲しい場合、などその時によって妻が夫に求める役割は変わってきます。でもそれは聞いて引き出すしかありません。体調が悪い時ほど妻自身も自分の願いを「言語化」することがうまくできないので、カウンセラーになった気持ちで聞きだしてください。
このことを直接妻が自分の言葉で夫に言ったとしても聞いてもらえないかもしれません。同じ内容でも「誰」がいっているかで人の反応は変わります。これは、アメリカの社会心理学者が提唱するチャルディーニ理論にも明記されています。これを読んだからと言って夫の行動変容をすぐに期待するのは拙速ですが、参考意見としてはインプットされるかもしれません。また、女性自身がどのように「自分のことを分かりやすくパートナーに伝えていくか」ということを考えるきっかけにもしていただけると嬉しいです。AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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