【左右開脚の上達法】柔軟な股関節に!お尻の深層筋を使って内腿の緊張を取る「硬さ解消ヨガ&ワーク」

 【左右開脚の上達法】柔軟な股関節に!お尻の深層筋を使って内腿の緊張を取る「硬さ解消ヨガ&ワーク」
Kenji Yamada

脚の動きの要となる股関節は、ヨガポーズのキーパーツであり、同時に悩みの多い部位でもあります。そこで「できない」苦手ポーズから股関節の状態を知り、悩みを解決する方法をご紹介します!

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目指すは、柔軟性と筋力を兼ね備えた股関節

股関節の理想的な状態とは、「安定したポジションで正しく機能できること」と中島陽平先生。そのためには、柔軟性と筋力の両方が必要になるそう。
「股関節の柔軟性を高めたいと思うときは、硬くなっている筋肉の反対側で筋力低下が起きているケースが多いです。そのため、ストレッチを行うだけでなく、低下した筋力を高めるトレーニングを行うことが柔軟性の向上につながります」
そこで、まず始めに行いたいのが、下のチェックテスト。苦手な動きから硬くなっている筋肉の場所を確認しましょう。
「筋肉の硬さを把握したら『相反神経抑制』という神経作用を使ってヨガポーズやワークを行うのが効果的です。相反神経抑制とは、力を入れて筋肉を収縮させると反対側の筋肉がゆるむという神経の反射。これを使うことで柔軟性と筋力アップの両方を実現できます。結果的に股関節まわりの筋肉のバランスが整い、一過性ではない柔軟性を手に入れることができます」
さっそく試してみましょう!

苦手な動きを確認してみよう

【CHECK】左右開脚が苦手

両脚を伸ばして座り、脚を左右に開いたときに、90度以上開くことができるか。また、上半身を前に倒して背中が丸くならないかを確認。内腿が硬いと、これらの動作が難しくなります。

「できない」からわかる!私の股関節チェックテスト④
photo by  Kenji Yamada

このタイプが苦手なポーズ…【開脚系】【立位系】
内腿の筋肉が硬いと左右開脚に加え、戦士のポーズⅡや三角のポーズなど立位系ポーズで下半身がアンバランスになりやすい傾向に。

柔軟性アップのポイント

柔軟性を高めようと、やみくもにストレッチをしても、十分な効果は得られません。ポイントを押さえて、効果的に行うことが柔軟性アップのコツです。

POINT1 相反神経抑制を使う
筋肉が収縮すると、その反対側の筋肉が弛緩してゆるむ、相反神経抑制を使うことで股関節を安定させた状態で柔軟性を向上することが可能。この神経作用を使うと、体が柔軟な動きを記憶し、日常動作でも柔軟性を発揮できるように。

POINT2 キープは10秒以上
体に力を入れると、筋肉はすぐに収縮しますが、瞬時に反応するのは使い慣れている筋繊維。10秒以上長めにキープすることで筋繊維全体が反応してしっかりと収縮。その反対側の筋肉も十分に伸び、硬さがほぐれやすくなります。

POINT3 なるべく継続して行う
筋肉は、継続して動かすことで活性化します。たとえば、ヨガポーズ&ワークで体がほぐれたら、次はそのほぐれた状態からスタートでき、より柔軟性が高まりやすく。逆に間が空くと、筋肉は元通りになってしまうので、ぜひ続けて行って!

苦手な動き別・硬さ解消ポーズ&ワーク

上のチェックテストをもとに、苦手につながる筋肉の硬さを解消。相反神経抑制を使って筋肉を収縮しながら柔軟性を高めましょう。

左右開脚が苦手な人のストレッチ

お尻のインナーマッスルを使って内腿の緊張を取る
座っているときに膝が開きやすかったり、O脚の人は内腿の内転筋が硬くなりがちに。そのため脚を外に開く動きが阻害され、左右開脚が難しくなります。内腿を柔らかくするには、お尻のコアにある中臀筋を鍛えるのが有効。お尻に力が入るのを感じてトライ!

●ヨガのポーズなら...

脚を左右に開き、右足を90度外、左足先をやや内向きに。右膝を曲げ、膝の真下にかかとをおく。両足で床を強く踏み、両手を肩の高さに上げ目線を右手の指先。10秒。反対も。
POINT
・かかとで強く踏み膝を伸ばしてお尻を刺激。
・膝はつま先と同じ向き。内側に倒れない。

「できない」からわかる!私の股関節チェックテスト④
戦士のポーズⅡ
photo by  Kenji Yamada

●ワークなら...

①左側を下に横向きに寝る。右膝を曲げて外に開き、足先を左脚につける。

「できない」からわかる!私の股関節チェックテスト④
photo by  Kenji Yamada

②骨盤を正面に向けたまま膝を伸ばし、足先を天井方向に上げる。5秒。反対側も。
POINT
・骨盤が後ろや前に倒れないように正面に。
・上側のウェストが縮む人は腰の下にタオルを。

「できない」からわかる!私の股関節チェックテスト④
photo by  Kenji Yamada

□比べてみよう!
内転筋の緊張が取れると脚を外に開きやすく、骨盤が前に倒れて左右開脚が伸びやかに。

「できない」からわかる!私の股関節チェックテスト④
photo by  Kenji Yamada

教えてくれたのは…中島陽平先生
理学療法士。ヨガとピラティスの指導資格を持つ。都内の整形外科・ペインクリニック科で痛みに悩む人たちにヨガやピラティスを活かしたリハビリを提供。また、ヨガスタジオ「シュミッツの森」で解剖学クラスを担当する。

モデル…松本捺美さん
ヨガインストラクター。ヨガ歴7年。ニューヨークでRYT200取得。「ミス・ワールド・ジャパン2019」でミスヨガ受賞。ヨガを通して感じたポジティブなエネルギーを伝えていきたいと考え、現在、東京・代官山でヨガ指導を行う。

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photos by Kenji Yamada
hair&make-up by Kyoko Suzuki
text by Minako Noguchi
yoga Journal日本版Vol.79掲載

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ヨガジャーナル日本版編集部

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