疲れて見える「目の下のふくらみ」を取りたい!医師に聞く最新施術とは【栗尾モカの更年期大学#4】

 疲れて見える「目の下のふくらみ」を取りたい!医師に聞く最新施術とは【栗尾モカの更年期大学#4】
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栗尾モカ
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2022-01-21

記者・漫画家の栗尾モカが、様々な業界のプロフェッショナルに会い、更年期を快適に乗り越えるための知恵やメソッドをレポートする連載「更年期大学」。第4回目は、アヴェニュー六本木クリニック医師の寺島洋一先生にお話を伺います。

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更年期世代に悩む人が多い「目の下のたるみ」を解決するには…

様々な体調変化を迎える更年期。患者さんからの外見の変化についての相談として多いことのひとつに「目の下のたるみ」があるそうです。マスク生活が続き、以前よりも目元が注目されるようになりましたが、下まぶたのたるみの原因は主に「脂肪」。眼球のクッションとなっている眼窩脂肪が重力で垂れ下がり、下まぶたが膨らむのがアイバッグとよばれる症状です。このアイバッグがあると、表情が疲れて見えがちに。出来ればこのたるみを消して明るい表情を取り戻したいものです。

お話を伺ったのは…アヴェニュー六本木クリニック院長 寺島洋一先生

寺島先生

有名女優から女性ファッション誌の編集者など、美の現場で働く多くの女性たちからも絶大な信頼を集める「美のプロフェッショナル」寺島洋一先生。本質を見極める審美眼と的確な施術、丁寧なカウンセリングに定評があり、長年通い続けるファンも多数。

【経歴】
信州大学医学部卒。東京警察病院にて研鑽を積み、
日本形成外科学会認定専門医
【主な所属学会】
日本形成外科学会・日本美容外科学会・日本香粧品学会

目の下のたるみは眼窩隔膜のゆるみが原因

――今回お伺いしたいのは、更年期世代の悩みのひとつ、目の下のたるみです。疲れた印象を与える目元の症状は、クマや黒ずみ、目の下の脂肪がぷっくりふくらんだり、逆に落ち窪んだりと、様々ですね。これはもう、アイクリームなどでは太刀打ちできないのではないかと個人的には思っています。目の下の皮膚の下は、どの様な構造になっているのでしょうか?

寺島先生:涙袋のさらに下の部分がぷっくりしてたるんでいる場合は、そこに脂肪が溜まっています。目玉の周りにある脂肪は眼窩脂肪というのですが、それをせき止めている眼窩隔膜という膜があります。それがちょっとずつゆるんでくると、うしろの脂肪に押されて出っ張ってきてしまいます。一度ふくらむと2度と戻ることがないので、徐々に大きくなってしまうのです。なので、まぶたの裏の結膜を5ミリだけ切開して脂肪を抜く施術を行います。

――目の下のたるみは、脂肪が後ろから押し出されているものだったのですか。肌にハリがあるときには弾力のある膜でおさえられていたものが、支えきれなくなってくるわけですね。この構造に関しては、ご存知の方は多くなさそうです。

以前は、目の下に影のようなクマができてもよく寝れば消失していました。それが、寝てもクマが消えなくなり、次第にふくらんできました。気が付いたときには「あら⁉︎ぷっくり」という感じです。これまで、紫外線にあたらないように気をつけ、20年以上色々なメーカーのアイクリームを塗ってきました。でも、保湿はされていましたが、膨らみの改善には役立ちません。脱脂をする場合には、麻酔をすることで施術の痛みはないですか?

寺島先生:そうですね。痛みに関しては大丈夫です。下まぶたの裏側と表側、両方1箇所ずつ2箇所麻酔を注射します。脂肪を抜く際には、ふくらみをなくし、凹まない程度に少しずつ脂肪を摘んでいきます。ぴったりの量を取るように行いますのでご心配なく。

ーーちょっとずつ脂肪を摘んでなだらかにされるのですか。まさに匠の技ですね。

目の下の脂肪を除去する脱脂法とは

脱脂法の施術前(画像上)と施術後1ヶ月の状態(画像下)です。施術前は、涙袋の線の下にもう一段階脂肪によるふくらみがあり、二段階の影が出来ています。下まぶたの裏から切開して脱脂を行うので、表側の皮膚には全く傷やアザなどが残らずきれいなままです。

目

脱脂後は、皮膚の上からテープで3日間固定します。1週間の間抗生剤を服用しますが、内出血や痛みがない場合がほとんど。約1ヶ月後にベビーコラーゲンを注射した後が、下の写真です。目の下の凸凹がなだらかになり、スッキリとした目元になりました。

ベビーコラーゲンは、創傷治療の際に最も早く形成される成分を含有しているので、周囲の組織と非常によく馴染みます。目の下のクマやゴルゴ線(目の下のシワ)、血管が透けて見えるために起こる目の下の青いクマにも効果的。ジワジワと効果が出るものではなく、注射をした直後にふっくらと馴染むので、明らかな変化を見ることが出来ます。

(※痛みや術後の感想には個人差があります)

「美しさは自然の中にあります。大切なのは調和です」(寺島先生)

――寺島先生の施術は、自然かつ美しいと評判ですよね。脱脂の手術も、外側に傷が残ることなくふくらみだけを目立たなくすることが出来るので、ダウンタイムも気にしなくて良いのがいいですね。

寺島先生がモデルさんの一重まぶたを二重にされた施術写真を拝見しましたが、ふんわりとした目元の女性が、とても魅力的な深みのある眼差しの女性に変身していて、そのラインに惹きこまれました。美容の施術は、それぞれの患者さんに合わせて目指す方向を決めてくださる先生の美的感覚が最も重要ではないかと思っています。

寺島先生:どうもありがとうございます。よく、「施術するとみんな同じ顔になってしまう」と言う方がいらっしゃるじゃないですか。僕の場合は、そのような状態にしませんね。その方の持っている特徴を打ち消すことなく、一番美しくなる方法を考えています。美人の基準について時々訊かれるのですが、特にこれ!という基準はないと思っています。「流行りの顔はどういう顔ですか」というような質問も受けることもあるのですが、そういった顔に寄せていこうとも思っていません。これは僕の持論なのですが、美しさは全て自然の中にあると思っています。大切なのは調和です。不自然な要素を入れてしまうことで、不協和音になることは避けるようにしています。

「美」は全てに通じる。本物だけに触れ続けることによって感性が磨かれる

――美は調和なのですね。寺島先生は、屏風などの骨董品や美術品を集められているとお聞きしたことがあります。

たけやぶ

寺島先生:美術品はもちろん、美しい自然の風景も好きです。休みの日は、出来るだけ美しいものに触れるようにしています。都内の展覧会や美術館、博物館にはよく足を運びます。特に好きなのが日本刀です。

――日本刀ですか!

寺島先生:僕が一番足を運ぶのは、東京国立博物館の13室※です。日本随一の日本刀のコレクションが本当に素晴らしくて、僕の中の究極の美の結晶です。展示物は定期的に入れ替えがされています。その美しさは、何時間でも見ていたいほど。まさに美の聖地ですね。

※東京国立博物館本館13室
上野の東京国立博物館の本館は「帝冠様式」の代表的建築で、重要文化財に指定されている。本館では、日本の美術、工芸、歴史資料などを閲覧することが出来、13室は、金工・刀剣・陶磁作品が展示されている。

――日本刀のどういったところに特に魅力を感じていらっしゃいますか?

寺島先生:全てですね。まず、フォルムが完璧なのです。そうでなければ1000年伝わらないですよ。長い歴史の中、落城した際に消失してしまった刀もある中、今、見ることが出来る刀は、まさに伝家の宝刀です。平安末期から現代までピカピカの状態で残っています。その間、日本ではその刀の価値に重きが置かれてきたと思います。

――1000年の歴史を経ても本物として大切にされている美術品には、完璧なフォルムや質感が備わっているのですね。寺島先生の感性や技術の源なのでしょうか。

寺島先生:美は全てに通じていますね。眉毛下皮膚切除のデザインで一番似ているなと思っているのは、正宗の子、貞宗の作った短刀の形なのです。もの凄くバランスが良いです。

刀
重要文化財 脇指 相州貞宗(号 石田貞宗)   
南北朝時代・14世紀 東京国立博物館蔵     
本館 5・6室にて2022年1月2日(土・祝) ~3月21日(月・祝)で展示  
※作品は、時期によって展示室は変わることがあります。詳細は東京国立博物館ウェブサイトでご確認ください。
URL : https://www.tnm.jp/

※「正宗」は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて、作刀に携わった刀工。通称「五郎入道」と名乗っていたため、江戸時代に編纂された名刀リスト「享保名物帳」(きょうほうめいぶつちょう)において、「天下三作」(てんがさんさく)のひとりに選定された名工。

――お休みの日にも美の本質を追求されていらっしゃるのですね。だからこそ、皆さんが寺島先生の自然で美しい施術の仕上がりに魅了されるのでしょうか。ピタッ!と美しいラインが決まるのは、普段からの蓄積でもありますか。

寺島先生:施術に関しては、これが一番いいというところに納めているつもりです。医師も、施術をするのであれば、美術の勉強はするべきだと思いますね。美しいものを沢山見ないと、美しいフォルムを作れるはずはないのですから。

ポジティブなマインドセットと美容の関係

ーー美容の施術をされた結果、患者さんの気持ちも明るくなる方は多いですか?更年期代表としては、気になるパーツがどんどん増えてきてしまって、もうどこからケアしたらいいかわからないというか(涙)。ある年を境に一気にガタガタっと衰えました。運動やコスメは色々試してきたのですが……。加齢とホルモンの影響ですね。年相応でいい、という思いもあるのですが、朝に鏡を見た時に疲れた顔をしていると、やっぱり嬉しい気分にはならないですね。

寺島先生:もし、自分にとって苦手だなと思うパーツがある場合、整えることで自己肯定感が上がると思います。外見のことで悩んで「私なんて」「僕なんて」と思ってしまう方は、大変もったいないです。過去に、ある施術をさせて頂いた女性がいらしたのですが、それまで引っ込み思案だった気持ちがとても外向きになったそうです。親御さんからお手紙を頂いたのですが、積極的な性格になってから留学をされたと書かれていました。このようなお話を伺いますと大変嬉しいですし、この仕事をしていて本当に良かったなと思いますね。

――前向きな気力を頂けるお話ですね。色々な可能性を秘めているのに、一歩踏み出せない理由が外見のコンプレックスだとしたら、そのストッパーをはずことで新たな自由を手にしていけるのかも。鏡の中の自分に「目の下のクマ、どうにかしたいね」とつぶやくよりも、「今日はなんだか元気に見える」と思えた方が、ずっと前向きに過ごせますね。

【更年期大学】今回の学び

誰もが年齢を重ねるのだから、外見は自然に変化をしていくもの。それをどう捉えるかは、人それぞれかと思います。これは個人的な考えなのですが、美容取材を数多く経験している中で「施術は外見を整えるだけではなく、こころのビタミン剤の役割もある」と感じています。寺島先生のお話の中で、施術によって外見に自信を持ったことにより内向的だった女の子が留学をするほどに積極的になった、というエピソードがありましたが、まさにその感覚です。更年期の症状のひとつに「気力の低下」がありますが、自分が常に機嫌良く過ごせるように心がけることは大事だと思っています。

ヨガのインストラクターの女性が魅力的だと「この人から学びたい」と鼓舞されるのと同様に、美容の施述をされている先生の審美眼が確かだと、安心してコンプレックスのあるパーツについて相談も出来ます。更年期の数年間を前向きに過ごすために。プロの先生方の知恵をお借りしながらコンプレックスの荷物をひとつ、ふたつ……と下ろすことができたら、新しい視界が開けそうです。

寺島先生

寺島先生のイチオシ

今ならおでこの施述「エランセ」

エランセはPCL(ポリカプロラクトン)という手術で用いられる体内に吸収される糸と同じ成分で出来ている注入剤。注入した箇所の皮膚および皮膚組織のコラーゲン生成を促進するため、皮膚のハリを出すことが可能です。

マスクから出ている部分の半分を占めるおでこのデコボコをなめらかに。それだけで風貌が大変若々しくなるので患者様の満足度が高い施述です。こめかみや目の下にもおすすめの施述になります。単におでこをふっくらとさせるだけではなく、シワ予防にも効果があり、一度の注入で約2年の効果が期待出来ます。

「エランセ」1本 110,000円(税込)

Information

アヴェニュークリニック(皮膚科・形成外科)

アヴェニュー

六本木クリニック

東京都港区六本木7-14-7 六本木トリニティビル5F

フリーダイヤル:0120-766-639

表参道クリニック

東京都港区南青山3-18-16 ル・ボワビル4F

フリーダイヤル:0120-365-558

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栗尾モカ

栗尾モカ

記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。



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