ヨガ的メンタルヘルスガイド【トラウマに対するヨガの効果】と実践法
ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!コロナ禍で「健やかな心」を保つための実践法
ヨガが心の支えに
私が双極性障害と診断されたのは17歳、高校3年の時だった。常に不安に駆られ、得体の知れない恐怖を感じていた。食欲も落ちて、よく眠れなかった。それから数年間は薬を飲んだりやめたりしながら入退院を繰り返していた。
2002年、私は主治医と相談して薬から離れた。子供が欲しくなったからだ。妊娠してからはヨガを始めた。週4回はマットを広げ、シバ・レイのマタニティ・ヨガのビデオを観ながら練習していた。練習の後は心身が生まれ変わったような気がした。
だがしばらくすると、再びうつ症状が現れた。出産後はヨガ練習も疎かになり、また薬を服用するようになった。私は友人に説得されて、地元の「40日間自己改革」プログラムを試すことにした。どのクラスでも必ず最初に20分のヨガと5分の瞑想を練習した。始めて1週間もしないうちに、私はよく眠れるようになった。瞑想をすると過剰に反応しなくなることにも気づいた。
2010年には、精神科医の代わりに透視能力者のセッションを受け始めた。ヒーラーと話すうちに、自分が今メンタルヘルスの回復過程にいることを受け入れられるようになった。副作用がなければ薬を飲み続けても問題ないのだと納得できたのも、彼女のおかげだ。さらに彼女は、私の使命は、うつ病や不安症をわかりやすく説明して人々に力を与えることだと教えてくれた。私は自分自身にとっても、体験を共有することが必要だと感じた。
その翌日、私は別の「40日」プログラムに参加し始めた。そして、他の参加者たち30人の前で、自分の双極性障害の症状について話したくなった。それまでは思いもしなかったことだ。心臓がどきどきしていたが、自分を解き放つにはこれしかないと思った。私が話す間、スタジオの窓の外に花火が上がり、山あいの小さな町を照らすのが見えた。勇気を出して共有したことへのご褒美のような気がした。
2008年から2019年にかけて、私は1500時間のヨガティーチャートレーニングを受け、2012年には最初のヨガスタジオをオープンした。
今では、いつマットにのって、エネルギーを動かして不安を振り払うべきかがわかるようになった。ヨガは身体と心と精神を結びつけてくれる。そして、すべて大丈夫、全部うまくいっているという、穏やかな感覚をもたらしてくれる。
—ジュリー・キドゥ:『BYE-POLAR』の著者
聞き手:ケイトリン・カールソン
癒しが必要なときに...
21歳の誕生日まであと2週間という日に、私は救急外来の台に一人で座り、震えの止まらない足を見つめていた。この24時間に起きたことを理解しようとしていた。〝なぜ何も思い出せないの?〞
必死に記憶をたどっていると、ラッキーという皮肉な名前の警官が部屋に入ってきた。「レイプキットの証拠収集に来ました。その痣の写真も撮らせてもらいます」
ラッキー巡査にはルーティンワークかもしれないが、私にとっては人生で最も恐ろしい経験のひとつだった。前の晩、私は3人の男たちに薬を飲まされてレイプされた。そのうちのひとりは友達だと思っていたのに。その夜のことは断片的にしか思い出せない。映りの悪いテレビのように、鮮明に思い浮かぶ場面もあるが、ほとんどはぼんやりとしている。
それから1年の間、私は引きこもっていた。罪悪感や羞恥心、不安、恐怖で凍りついたまま、365日をベッドで過ごしていた。私が経験したことは急性外傷(突然の強烈なストレス体験)として分類された。私のように、忘れよう、引きこもろうとするのは、よく見られる反応だという。
トラウマとは?
時間がたつにつれ、私は自分のトラウマ体験について理解し、トラウマ全般に詳しくなった。たとえばトラウマには4つのタイプがあることがわかった。
●急性トラウマ:私が体験したような、突発的で強烈なトラウマ。
●長期反復性トラウマ:繰り返しストレスにさらされることによるトラウマ。たとえば、頻繁に性的虐待を受けるなど。
●複雑性トラウマ:次々と出来事が重なって起こるトラウマ。たとえば、事故で大けがをした後に別の事故で家族を亡くすなど。
●代理トラウマ:間接的なトラウマ。人が虐待されるのを見たり、誰かが危害を加えられているビデオを見るなど、他人を介して経験する。
さらに公衆衛生の専門家たちは、民族と人種に基づく心的外傷性ストレス(RBST)を認め始めている。これは有色人種が経験する世代間のストレスや繰り返されるトラウマから生じるものだと『Restorative Yoga for Ethnic and Race-Based Stress and Trauma』の著者、ゲイル・パーカー博士は述べている。
そして忘れてはならないのが、長引く新型コロナウイルスの蔓延だ。研究者たちは、COVID-19が長期的にメンタルヘルスに与える影響について調べ始めており、多くの人がこのパンデミックによるPTSDを抱えていることがわかっている。次のページから、トラウマに関する情報と、ヨガがどう役立つのかを紹介しよう。
̶モニカ・カデナ
トラウマの体験
重い病気を患う、暴力を経験する、愛する人の死を悼むなどの経験は、悪夢や悲しみ、恐怖、怒りを引き起こすことがある。ヨガ、瞑想、マインドフルネスは、トラウマの治療を補塡し、レジリエンス(ストレス耐性)や癒しを得る助けになる。
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