【皮膚と心の関係】皮膚からストレスを減らす「触れるケア」3つのポイント
ヨガは身体をしなやかにし呼吸を整え、瞑想を通して自分の心を整えていく事ができます。私はヨガの指導や実践の他に整体やオイルトリートメント等のボディケアで皮膚を通して心にアプローチする事も日々行っています。もちろんこわばった筋肉や筋膜をほぐすことも行いますが、皮膚を通して身体だけでなくこころをゆるめるという目的で触れることも大切にしていて、1つのセッションの中で身体のコリにアプローチしたり、こころをゆるめる気もちで触れたりなど切り替えながら行っています。そして自分自身の身体作りもヨガだけでなく皮膚へのアプローチが欠かせません。今日は皮膚と心の関係や簡単にできるセルフケアについてお伝えしていきます。
皮膚の感覚は感情にも影響を与える
人間には自分を守るためのパーソナルスペースというものがあり、その中に他人に入られるとそれだけでも緊張感が増し、ストレスが高まります。例えば電車やバスなどで知らない人がとなりに座った時、なんとなく不快感を感じることはありませんか? 満員電車などはその最たるもので、知らない人と身体が密着し、自由に動けないというストレスも加わり、少ない乗車時間でも感情が乱されイライラや憂うつな気分になってしまった経験がある方は少なくないと思います。
触覚として何かにふれたり包まれることで無意識下で脳にたくさんの情報が流れ込んでいます。それが満員電車の時にように不快につながることもありますが、逆にゆったり落ち着く手助けになることも大いにあります。
例えばパートナーや母子などで親密度が高い関係性がある場合はむしろ近い距離にいることで安心感や温かい気持ちが増しますし、他人同士でもどのような環境でどのように触れるかによって相手に緊張感を与えることもリラックスした状態を生み出せるかも変わってきます。ストレスを感じたとき、そして日々のストレスケアとして自分が信頼できる人にゆだねる時間を持ったり、自分や家族に大切に触れるということを習慣にしていけたらよいですね。
赤ちゃんへのマッサージは母のこころもゆるめる
生まれたばかりの赤ちゃんは視力もまだ弱く、脳を調べると感覚器の中で一番触覚への反応が強いそう。赤ちゃんがなんでも口に入れて舐めたがるのは、生まれつき敏感で発達している感覚器を積極的に活用しているのですね。
赤ちゃんをだっこしたり優しくなでるマッサージは愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌され、赤ちゃんの成長やこころの安定を助ける効果が期待できますが、何より産後疲弊している母親のこころのケアとしてもとてもよいのでぜひ実践してほしいと思っています。
私たち大人もやわらかく心地よいものに触れることでオキシトシンが分泌され、こころが休まったりリラックスする効果があります。赤ちゃんを慈しむ気持ちで触れることは、大人にとっても赤ちゃんにとってもこころをゆるめる時間になります。
赤ちゃんの発達を助けてママにも赤ちゃんにもよい赤ちゃんマッサージを指導しているのですが、まずは声を掛けながら腕をやさしくゆっくりなでることからはじめて頂ければOK。
腕にはストレスや神経のバランスをとってくれる※経絡(心包経・三焦経)があります。※経絡とは東洋医学における全身をめぐる気の流れの通り道のようなものです。そして前腕の皮膚には感情にかかわる受容器が多いので、まずは腕の前面、背面をやさしくなでてみましょう。自分で自分の腕を撫でるセルフケアもおすすめです。セルフケアの際も赤ちゃんに触れるような気持ちでやさしく触れてみてください。
ストレスを緩和するための触れるケアのポイント
1.冷たい手で行わない。冷たい手で触れると交感神経にスイッチが入るため、リラックスしたいときやストレスを緩和したいというときは暖かい手で触れるようにしましょう。冬場や炊事仕事で手が冷えている場合はかならず手をあたためてから。
2.早い速度でこすったりしない。肌を痛めるリスクの他、緊張感が生まれやすいため、触れるときもいきなり触れずにゆっくり触れていきましょう。小動物をなでる時のようなイメージをすると良いでしょう。動物に触れるときはいきなり触ったら相手がびっくりして噛みつくかもしれないのでゆっくりやさしく触りますよね? ゆっくり優しく触れてゆっくり離すのがポイント。
3.指先だけでなく手のひら全体と相手の(または自分の)腕の皮膚がそれぞれバターのように溶け合っているようなイメージでゆっくりなでる。ストレスケアに特化して触れるときは押したりせずなでるという感じで行います。びくびくと指先でふれるかふれないかの感じはくすぐったかったり緊張感を与える場合があるのでしっかり手の平と皮膚を密着させると良いでしょう。
呼吸法や瞑想だけでなく皮膚からのストレスケアぜひ習慣にして頂けたらと思います。小さなお子さんがいらっしゃる方は赤ちゃんでなくでも親子で「バターがトロトロに溶けた~」などと言いながらなでなでしあいっこしてみましょう。セルフケアの際は、肌触りよい肌着などを選ぶのもオキシトシンが分泌されてストレスケアにつながります。ぜひ肌触りのよい肌着やパジャマなどに身を包んで、自分に優しく触れる時間をとってみてくださいね。
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