婦人科検診の痛みや不快感を減らすために知っておきたい2つのこと|産婦人科医に聞いた

 婦人科検診の痛みや不快感を減らすために知っておきたい2つのこと|産婦人科医に聞いた
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――そのほか、検査を受けるときに準備をしておいたほうがいいことはありますか。

犬飼先生:恐怖心をなくすために、どんな検査をするのかを理解しておくこと。それと、検査時はワンピースやスカートのほうがスムーズかと思います。パンツだと全部脱がなくてはいけなくなってしまって、余計に恥ずかしいという気持ちで不安になってしまう方もいらっしゃるかなと。パンツで来てしまっても、使い捨ての布などで巻くなど対処法はありますし、タオルを持ち込んでいただくことも可能な場合があります。もし気になるようでしたら、そこも声をかけていただけたら。

あとは、先にお手洗いを済ませておくこと。腟に指を入れて、お腹を押していく双合診(そうごうしん)では尿道や膀胱のあたりを押さえますので。それに、経腟超音波(経膣エコー)検査の場合は、膀胱がパンパンになっていると子宮や卵巣が観察しにくくなるんです。その分、角度をつけて診ることになり、疼痛を感じやすくなる可能性もあります。事前に特別な指示がなければ、お手洗いを先に済ませることで、リラックスもできると思います。

また、羞恥心から余計に緊張が出てしまう、力が入ってしまうという方は女性の先生がいるところや、婦人科検診を中心に行っているクリニック、検診センターを選ぶのもおすすめです。検査用の小さい器具を用意していることが多いですし、スムーズに検診が終えられるように、より配慮した作りになっていますから。

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事前に特別な指示がなければ、検診前にお手洗いを済ませておく方がベター。

年齢を重ねても定期的な検診は必要

――改めて、婦人科検診の重要性をお伺いできますか。

犬飼先生:子宮頸がんというのは検査で防げる、早期発見できる珍しいがんです。不正出血などの症状が出たときはすでに遅く、進行がんになっていることが多いので、それを防ぐためにも自覚症状がない段階で検査を受けていただくことが重要です。

今は自治体からの検診無料クーポン券もありますし、20歳を越えたら必ず定期的に受けていただきたいです。というのも、20~30代という妊娠出産を考える年齢から早期にがん化してしまうこと。また、その前癌病変と言われている異形成という状態であっても手術を行うと、その後、流産や早産のリスクが少し増えてしまうこと。

がんになってしまったら、子宮を全摘する可能性もあります。若くして、そういった状態になると妊娠出産ができなくなり、人生が大きく変わってしまうことになりますので、ご自身のライフプランのためにも婦人科検診は大事なことだと思います。

――子宮頸がんは比較的、若い方が罹るイメージがありますが、何歳くらいまで検査が必要なのでしょうか。

犬飼先生:実際に若い方に多い病気ではありますが、70代、80代でも少ないとはいえ、絶対に子宮頸がんにならないというわけではありません。閉経後からしばらくは受けていただく必要があると思います。

ずっと検査を受けていないと異形成の状態になることもありますし、稀ではありますが、HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因ではない特殊な形の子宮頸がんもありますので、年齢に関わらず定期的に受けていただきたいです。

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Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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