婦人科検診、なぜ痛い?カーテンの向こう側で何が行われているか、あなたは理解している?医師に聞いた

 婦人科検診、なぜ痛い?カーテンの向こう側で何が行われているか、あなたは理解している?医師に聞いた
Adobe Stock

必要だと分かっていても二の足を踏んでしまう婦人科検診。痛みを感じることもあり、苦手だと思うその気持ちは、もしかしたら「カーテンの向こう側で、どんなことをされているか分からない」という怖さが原因かもしれません。そこで、今回は産婦人科医の犬飼加奈先生に婦人科検診で行う検査の種類、使用している器具についてなど、不安解消に繋がるお話をお聞きしました。

広告

子宮頸がん以外にも婦人科系の疾患がわかる

――そもそも婦人科検診は何を目的としたもので、どんな検査を行っているのでしょうか。

犬飼先生:一般的に婦人科検診というものは、子宮頸がんの早期発見を目的とした検診になります。エコーなどのオプションを追加しないのであれば、腟鏡(クスコ)を使って子宮腟部と腟内を観察する「腟鏡診」、その流れで腟部の細胞を擦り取る「細胞診」、そして「双合診(そうごうしん)」といって指を腟内に入れてお腹を押さえる内診。この3つを行うことが多いです。

――それぞれの検査について、詳しく教えてください。

犬飼先生:まず腟鏡診では、腟内と子宮の入り口(子宮腟部、子宮頚部)を見て、ポリープや子宮筋腫、びらんがないか、おりものの量や性状に異常がないかを診ていきます。滅多にないですが、奇形がないかという部分もチェックします。

そして、子宮頚部の細胞診。これは腟部の細胞を取るもので、その細胞から子宮頸がん、もしくは前癌病変(がんができる前段階の症状)がないかを診ていくものです。これは、追って病理の検査で分かるものとなります。

双合診は内診になりますので、子宮の大きさが正常かどうかを診断します。卵巣が腫れていると卵巣腫瘍、子宮が腫れていると子宮筋腫の疑いが出てきます。また、圧痛があったり、子宮の動きが悪かったりという部分がないか。そういった子宮の動きで、子宮内膜症や炎症を疑う所見がないかという部分を診ていきます。

痛みを感じやすのは腟鏡診

――子宮頸がんの発見を目的にしつつも、あわせてさまざまな婦人科系の疾患がわかるんですね。その3つの検査を一連の流れで行うわけですが、痛みを感じやすいのはどの検査でしょうか。

犬飼先生:一番疼痛を感じやすいのは、腟鏡診ではないかと思います。腟内に挿入する腟鏡(クスコ)は検査で使う器具のなかで一番大きさがあるものですので。メーカーによって多少の違いはありますが、通常ですと先端が2cmくらい、挿入したあとに腟部を露出させるために開くときでも4cmくらい。性交渉の経験がある方であれば、問題ない大きさです。

クスコ
婦人科検診で使われる「腟鏡」photo by Adobe Stock

性交渉の経験がない方や高齢の方だと、痛みを感じやすいかもしれません。なかでも閉経以降の方は、女性ホルモンの低下によって腟が狭窄してしまうことがあるので、以前は痛くなかったけれど徐々に痛みを感じるようになる方もいらっしゃいます。

基本的には、どなたでも問題のないサイズではありますが、それぞれ人によって腟の伸び、伸展具合や広さが違いますので、痛みが出やすい人、出にくい人というのがあるのかなと思います。

広告

Text by Mitsue Yoshida

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

クスコ
犬飼加奈