【少食がもたらす嬉しい変化】自分で自分を助けるしくみ「オートファジー」を最大限発揮させる方法とは

 【少食がもたらす嬉しい変化】自分で自分を助けるしくみ「オートファジー」を最大限発揮させる方法とは
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2021-05-13
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少食生活が"体の大掃除"をしてくれる

雲間はどうしたら晴れるのでしょうか。あがいても、運良くいちどに雲は吹き飛びません。晴れるのを気長に待ちながら、私たちが日常から変えられることにフォーカスして、雲間らしい過ごし方を提案してみます。それは「少食」にすること。なにもダイエットとか、そういうものではありません。少食にすると、体は病気を防ぎ健康的に長生きするのための「大掃除」を始めてくれます。時代や社会がどう移ろおうと、どんな時も生き抜く底力を蓄えてくれるのです。

空腹時にお腹がグーグー鳴りますが、これは「モチリン」というホルモンが分泌されているため。このちょっと可愛らしい名前のモチリンが、胃と腸に溜まった食べかすや老廃物をきれいにお掃除してくれることで私たちの体はリセットすることができます。このリセットの時間がないと、老廃物などの毒素が溜まっていく一方。それらが「ちりつも」となって、やがて病気や不調の原因となっていきます。

このモチリンが活発になるためには、おおよそ16時間のあいだ空腹でいることが大切です。最近よく耳にするオートファジーというものは、このことです。オートファジーとは分かりやすく言えば、体に備わった素晴らしい自助システムのこと。オート(自ら)ファジー(食べる)ので自食作用とも言われます。どういうことかというと、空腹でいることで体内の古い細胞や老廃物などが分解・リサイクルされ、生きるために必要な細胞に生まれ変わり、病気や不調、老化といった現象を自動的に改善していく能力です。普段私たちの意識していないところで、このオートファジー機能が静かに私たちの体を守ってくれているのです。

空腹でいると脳が活性化する理由

また、同じく空腹ホルモンといわれる「グレリン」というものがあります。これは空腹時に胃から脳(海馬)へ働きかけるもの。グレリンが分泌することで、記憶力や学習能力が向上することがアルツハイマー病の研究から分かったのだそうです。空腹でいると脳も活性化するのですね。脳と腸の健康が、空腹をしっかり感じることで促進されるのです。

空腹でいる時間をしっかり作ることで、老化の原因とされる活性酸素の発生を抑制することもできます。さらに摂取カロリーを減らすことで、サーチュイン遺伝子といわれる長寿遺伝子が活性化し、細胞の老化を防ぐ働きをしてくれることも分かってきました。空腹の力というものが、あるんですね。

知らず知らずについ食べ過ぎている現代人。空腹状態をしっかり感じ取っている人は少ないのではないでしょうか。過食気味の私たちにとって空腹を味わうことは、さまざまな良い現象を私たちの体へ生み出し、健やかな状態で生きることを支えてくれる大切な要素です。

一日が24時間ですので、16時間の空腹時間というと長いなあという印象があるかもしれませんが、わかりやすく言えば1日2食にすることで実現が可能です。夜8時までに食事を終え、翌朝は水分のみにします。午前中は排毒・排出の時間といわれますから、水分をこまめに取ることでこの排出を促してあげます。お昼ごはんを12時に食べれば、自動的に16時間が確保されます。時間はご自身の一日の流れに合わせて調節してみてください。

仕事量や運動量などの個人差や季節の影響がありますので、自分の体や時期と話しあいながらトライしてみてくださいね。雲間から光射す日はきっと訪れます。

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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