【医師が考案「整形外科ヨガ」】寝たままできる!腰痛改善の新常識「ローカル筋」の強化法
外出が減り、リモートワークでパソコンに向かう毎日...。座りっぱなしの生活は想像以上に腰に負担をかけています。整形外科医考案のヨガで、体を正しくメンテナンスしてつらい腰痛を解消!
体を正しく使える状態に。それが腰痛改善の大前提
「在宅ワークが多くなり、腰痛を感じるという人は、運動量が減ったことによる筋力低下が一因。座りっぱなしの姿勢は、ハムストリングスと臀筋が緊張状態になり、骨盤の動きが制限されて腰に負担がかかります。加えてデスク環境が整わず、合わない椅子や床に座ってパソコン作業をしていると、背中が丸まり、背骨の椎骨と椎骨の間にあるクッションの役目をしている椎間板の内圧(椎間板にかかる圧縮力)が上がり、痛みを感じる場合も。予防として30分に1回、立ち上がるのが理想です」と整形外科医の井上留美子先生。
改善策として実践したいのが、井上先生の提唱する整形外科ヨガ。整形外科の理論をベースにヨガ、筋トレ、ストレッチを組み合わせた動きで体の機能を整えていきます。「やみくもに運動をするよりも、硬くなった関節や衰えた体幹筋を整形外科ヨガで動かし、体を正しく使える状態に整えるのが腰痛改善のポイント。まず背骨を支える腹横筋と多裂筋を強化し、ハムストリングスと臀筋をほぐすワークを習慣にしましょう」
ローカル筋の強化は腰痛予防の必須対策
腰への負担を防ぐために重要なのは、「ローカル筋」と呼ばれる腹横筋と多裂筋の強化。
「たとえば物を取ろうとして腕を動かすと、連動して背骨も動きます。なので背骨の安定性を守るために脊柱に付着している筋肉・ローカル筋が先に作動し、次に表層部にある筋肉が働きます。ですが、ローカル筋が弱いと背骨が不安定なまま表層筋が働いてしまい腰に負担をかけることに。腰痛を繰り返さないためには、まずは腹横筋と多裂筋を鍛えることが重要です」
腹横筋
天然のコルセットとも呼ばれ、腹部のいちばん奥にあり体幹部を支える筋肉。
多裂筋
背骨に付着している深層筋で、背骨を真っすぐ保つのに欠かせない筋肉。
腰へのダメージを減らすには背骨の安定化が鍵
動作時に反射的に背骨を支えて腰を守る腹横筋を鍛えるワークにトライ。
「吐く息でお腹を引き込んで」
ドローイン
吐く息で腹圧を高めて腹横筋を強化する
ドローインは呼吸を使い腹横筋を鍛えるのが目的。吐く息でお腹をへこませて腹圧を高め腹横筋を収縮。反り腰になると腹横筋が働かないので床から腰が浮かないように注意。
①仰向けになり、脚は腰幅に開く。鼻から吸ってお腹を思い切り膨らませる。
②次に鼻から吐き切りお腹をしっかりへこませる。
③薄いお腹のまま胸式呼吸で息を吸い、さらにお腹をへこませる。この状態で吐く、吸うを10回繰り返す。
山のポーズ
腰に負担のかからない正しい姿勢で深く呼吸
「横隔膜と骨盤底筋群が平行になるターダーサナの姿勢は腰が最も安定する状態」と井上先生。この姿勢を保持したまま、息を吐きながらお腹を引き込むことで腹横筋が刺激されます。
足は腰幅に開き、手のひらを前に向け真っすぐ立つ。足裏全体で床を押し、頭頂は天井から吊られるイメージで上下に伸びる意識を持つ。腰は反らせずお腹を背骨に近づけた状態で深く呼吸を繰り返す。
ブラトップ¥7,920、レギンス¥8,910/すべてエミヨガ(エミニュウマン新宿店 ☎03-6380-1018)
戸井田先生のトップス¥7,700、ボトム¥12,100/すべてスリア(インターテック https://online.suria.jp)、ヨガマット¥3,520(価格改定のため4月20日〜)/ヨガワークス(☎0120-924-145)
お話を伺ったのは...井上留美子先生
松浦整形外科院長。整形外科ヨガ事務局を2017年に設立し、代表を務める。整形外科ヨガ認定インストラクターを多数輩出。
教えてくれたのは...戸井田ノリシゲ先生
整形外科ヨガ認定インストラクター。ヨガスタジオや老人ホームなどで指導。料理人の経験を生かした「食とヨガのクラス」も好評。
モデル...アリスさん
モデル・タレント。東京都出身。ファッション誌をはじめ、広告、CM等で活躍中。またヨガインストラクターとしても活動している。
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