今日も明日もスパイスの香りと共に|アーユルヴェーダで人に寄り添う小林静香さんの思い
アーユルヴェーダカウンセラーであり、東京・三軒茶屋にあるカフェ「eatreat.CHAYA」のオーナーでもある小林静香さん。彼女が紡ぎ出すお料理やドリンクには、来る人に笑顔と健康をもたらすパワーがあります。アーユルヴェーダカウンセラー、そして料理も手がけるようになったその軌跡とは。
扉を開けると心地よいスパイスの香りに包まれ、そしてカウンターの向こうには小林静香さんのやわらかな笑顔——。アーユルヴェーダカウンセラーの小林さんが、三軒茶屋のコワーキングスペース「三茶WORK」にカフェ「eatreat.CHAYA」をオープンしたのは、2019年の夏。「カウンセリングルームといわれる閉鎖的な空間ではなく、もっとオープンに心と身体の話ができる場を作りたい」そんな思いがきっかけでした。カフェスペースは、キッチンをぐるりと囲むカウンター。かしこまって相談しなくてもそこに座ってカウンター越しに小林さんと会話をするたけで、あるいは、小林さんが供するアーユルヴェーダに基づいたカレーやチャイを黙々と味わうだけでも、不思議と縮こまった体と心が伸びやかになり、体の中から元気が湧いてきます。そう、それはまるで上質なヨガを終えたあとのよう。アーユルヴェーダというと、もう少しキリッと厳格なものを想像しますが、小林さんが醸し出す雰囲気は「温かな日だまり」。その理由は、小林さんが考えるアーユルヴェーダの世界にあるようです。
アーユルヴェーダは開かれた生活の知恵
―――小林さんがアーユルヴェーダに出会ったきっかけからお話いただけますか?
20代の終わり頃、ビストロで料理の仕事をしていたことがあるのですが、サバやエビを大量に調理していく過程で、ある日突然、青魚と甲殻類の接触アレルギーになってしまったんです。病院に行っても対処療法だけでしたし、根本的な原因がわからないことにも納得がいかなくて、子どものころに小児喘息を克服した記憶からこれはもう自分で体を変えるしかないと、「食養生」を勉強しようと思いました。それに、その頃は猛烈に忙しくて疲れ果てていて、「人の身体がよくなるような食の仕事がしたい」という思いで仕事をしているのに、なんでこんなにしんどいの?という疑問もあり、勉強への意欲をかき立ててくれましたね。食養生というと薬膳やマクロビオティックなどもありますが、私にとって一番しっくりきたのがインドで生まれた世界最古の伝承医療であるアーユルヴェーダだったんです。
―――アーユルヴェーダはどこで学ばれたのでしょうか。
まず参加したのが、アーユルヴェーダの食と暮らしの教室「マハトチューニング・クッキングクラス」。もともとファンだった料理ユニット「南風食堂」を主宰する三原寛子さんがアーユルヴェーダカウンセラー&セラピストの池田早紀さんと一緒に運営されている教室です。セラピストの池田早紀さんの教え方はとても明解で、腑に落ちることばかりでした。
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