"なんもしない人"がヨガの聖典『バガヴァッド・ギーター』を持ち歩く理由

 "なんもしない人"がヨガの聖典『バガヴァッド・ギーター』を持ち歩く理由
Shintaro Sumida(Gran)
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『バガヴァッド・ギーター』の影響で"迷い"がなくなった

――『なんもしない』活動を始める際、「人が旅行にお金を使うように、自分は貯金したお金で何もしないことをしようと考えた」という話を伺いました。とてもライトに、新たな人生を選択されたような印象があります。

「活動を始める前の半年間は、かなり思い悩みましたよ。決めるまでの道々で『バガヴァッド・ギーター』の影響を精神的に受けて、迷いがなくなった。だから、ライトに始めたように見えるのだと思います。

今の活動は『生活費はどうしよう』『危険な目に遭うかもしれない』など、結果を気にしていたら、やるのは不可能だと思うんですね。『先のことを考える= 結果に囚われている』ことだと思いますが、この本を読んだことで、結果に囚われるのはよくないな、と思った。色々と頭で考えようとせず、とにかく面白そうなこと、やりたいことをやってみる。先のことを深く考えて決断することをやめて、自分をこの世界に投げだす気持ちになれたのは、『バガヴァッド・ギーター』のおかげです」

――スタートしてから、約2年。1日1日を重ねる活動ですから、長く感じるのでは?

「そうなんです。時間の感覚が全然違う。会社員ならば2年はあっという間ですが、日々の密度が高いせいか10年、20年ぐらい経っているような感覚があります。僕は今36歳ですが、34歳までの人生よりも、この2年間のほうが濃いと感じる」

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photo by Shintaro Sumida(Gran)

――活動はいつまで、と決めていますか?

「先ほども言ったとおり、先のこと考えずにやっているのでわかりません。考えずに、新たに面白そうなことが湧いてくる余地があるほうがいいかな、と」

――スタート当初からぶれていないんですね。

「いや、ぶれているとは思います。今のところ順調ですし、多分、無意識に“(この活動が)明日も続くといいな”と思ってしまっているでしょう。ただ、理想を言うのであれば、先のことを考えず、執着せず、何も考えずにやっていきたい。だから、この活動を続くかどうか、にも言及しません」

――ちなみに、ヨガの経験はありますか?

「『バガヴァッド・ギーター』や『あるヨギの自叙伝』を読んでいた当時は、資料を取り寄せて手順を踏み、毎日、瞑想を続けていました。瞑想は楽しかったですよ。今はたまにやるぐらいです。

体を動かすほうのヨガは、奥さんが好きなので付き合って教室に行ったことがありますが、体が硬いのでいまいち楽しめなかったです。でも、ヨガスートラの解説本も読みましたし、ヨガの考え方はフィットしました」

――具体的にいうと、どういうところが?

「ヨガの最終目標である、究極の静寂。何も心の中に浮かんでこない、というシンプルな目標が、です。

僕は学生時代、物理を学んでいたのですが、物理もわりと最終目標ってシンプル。この世の成り立ちや究極の姿などに興味を持ち、真理を追究するところに、最終目標があると思います。

そこが物理の好きなところであり、ヨガに通じるところでもある。ただただ座って、目を閉じて、何も考えないことは難しい。でも、ヨガを続けていけば、究極の静寂というのが掴めるのかな、是非、ヨガの状態に達してみたいな……と、興味が湧きました。

シンプルだけど難しい、というのが好きなんです」

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Text by Kyoko Nagashima
Photos by Shintaro Sumida(Gran)
撮影協力:cocobunjiプラザ



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