妊娠しやすい体へ!膣・子宮内フローラを整える食べ方|産婦人科医に聞くホルモン知識
厚生労働省が行った調査によると、働く女性の13%が不妊治療の経験者。年齢と共に妊娠率が低下するのは周知の事実ですが、改善・予防法はいかに。必要なのは「根本的な体質改善」と語るのは、様々なクリニックで不妊と向き合ってきた鶴巻由紀子医師。この企画では、その実践方法や必要な知識をご紹介します。第4回は、細菌と妊娠力の関係性について。体の中には様々な細菌が存在し、細菌バランスが整うと妊活にも良い影響が…その理由とは?
膣内細菌がもたらす妊娠への影響
「腸内細菌」は聞いたことがあっても、「膣内細菌・子宮内細菌」という言葉は耳慣れない人も多いのでは。しかも、膣内の細菌が妊娠力に関係しているなんて……。妊活のための膣ケアを考えるとき、これからは膣内の細菌バランスにも意識を向けてみましょう。
「膣だけでなく、子宮内にもラクトバチルスという菌が存在します。そして、子宮内のラクトバチルスの割合が高いほど妊娠率が高まり、逆に子宮内のラクトバチルスが減少すると、炎症を引き起こすなど、免疫が活発になり過ぎる可能性があります。
妊活で膣ケアをするときは乳酸菌などを含む食品を習慣的にとり、膣と子宮内のラクトバチルスを増やす食生活を併せて心掛けましょう。」(鶴巻由紀子先生)
腸内細菌が妊娠力を左右するって本当?
腸内環境が乱れると便秘や下痢、アレルギー、アトピー、うつ、過敏性腸炎など様々な不調を招き、妊娠しにくい体質をつくる可能性があります。腸内細菌と妊娠力の関係に注目!
「太り過ぎと痩せすぎは不妊につながり、肥満においては、BMI値(肥満度を示す体格指数)と腸内細菌のバランスが密接です。腸内細菌には、肥満に関係するファーミキューテス門とバクテロイデス門という細菌グループの比率です。ファーミキューテスが多い人は肥満になりやすく、逆に脂肪吸収を抑えるバクテロイデスが優勢な人は太りにくいと言われています。
腸内には多様な細菌が生息し、菌種ごとに群れを成しているのがお花畑(flora)のように見えることからその様子を『腸内フローラ』 と呼んでいます。妊娠に関わる腸内フローラのバランスを保つには、様々な種類の菌が存在する『多様性』が重要。ですが、ファーミキューテスが多くBMI値が高いと腸内フローラの多様性が失われる場合があるので注意しましょう。食品添加物、ファストフードなど自然のループの中にないものを摂取することも、できるだけ控えて。」(鶴巻先生)
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