がん治療の副作用を緩和?米国注目の「乳がんサバイバーのためのヨガ」

 がん治療の副作用を緩和?米国注目の「乳がんサバイバーのためのヨガ」
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乳がん患者には特に効果を発揮

ヨガはほかの種類のがんを患う人にも効果をもたらす。だが特に乳がんの患者たちに人気があるようだ。その理由は、乳がん患者たちは患者団体として、ほかのがん患者たちよりも積極的に研究や支援グループを擁護し、研究者たちの研究資金確保を促しているためだろう。彼らが研究結果でヨガの効果を示せば、医師たちもさらに推奨するようになる。また、乳がん患者は、たとえば卵巣がんや肺がんの患者たちよりも早い段階でがんが見つかることが多いため、まだ体力もあるし、全体的に健康な状態にある。つまり、ステージ1の乳がん患者は、ほかのがんの患者たちよりも強度の高い練習ができるのだ。

とはいえ、乳がん患者が実践できるヨガは、通常のアーサナ練習とは異なる。軽度に変えたアーサナを、瞑想やプラーナヤーマ(調息法)と一緒に行う方法がいちばんいいだろう。がん患者向けにつくられたヨガクラスを見つけられればラッキーだが、ヨガセラピーを専門とするティーチャーに習ってもいいだろう。いずれにしても、患者が快適に自分のペースで練習できることがいちばん重要だ。

「生徒たちには、自分の状態を観察するようにと常に話しています」とジジャーニ・チャップマンは言う。チャップマンは、カリフォルニア大学統合医療オッシャー・センターで看護師、マッサージセラピスト、ヨガティーチャーを務めている(彼女も2017年に自動車事故で他界)。彼女は本記事でも紹介しているアサナシークエンスをつくり、30年以上にわたってがん患者向けのクラスを教えている。「心地よい練習であるべきです。クラスの後は疲れではなく、エネルギーに満ちてリラックスした感覚がないといけません」。チャップマンが師事したインテグラル・ヨーガの創立者スワミ・サッチダーナンダは、平安と内なる完全に至る道はたくさんあると説いていた。「ある人にとっては、その道は肉体を調えるハタヨガかもしれないし、ほかの人たちにとっては瞑想かもしれない」。チャップマンは、癒しを促すために、心身に働きかけるさまざまな方法を患者たちに紹介している。

がん患者向けのヨガクラスの多くは、チャップマンのシークエンスを行い、快適に練習できるように通常よりも厚みのあるクッションの利いたマットを使用している。標準的な90分のクラスでは、最初の10分間は生徒たちが互いに自分の状態を伝え合う。それからチャップマンが「観察のプラクティス」と呼ぶ練習に移る。これは各自が体の感覚を観察しながら意識を内面に向けるボディスキャンのような瞑想だ。次に約30分間アーサナ練習を行う。病状に関わらず全員が参加できるように、ほとんどのポーズは椅子に座って行われる。最後は呼吸や短い瞑想を行いながら、深いリラクセーションのための時間をとる。

乳がんサバイバーのためのヨガ
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※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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story by Katherine Griffin
asana photos by David Martinez
model by Robin Hall
styling by Lyn Heineken
hair&make-up by Miles Berdache
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.66掲載



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乳がんサバイバーのためのヨガ
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