肋骨を触りながら呼吸してみよう|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

 肋骨を触りながら呼吸してみよう|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
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得原藍
得原藍 2019-04-22
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肋骨の下部は、上部とは違う動きをします。手を置いて呼吸してみると、上に持ち上がる、というよりは、横に広がるような動きを感じることができると思います。上部と下部の動きの違いは、関節の形状が違うことから生まれるのですが、下部は横隔膜が直接繋がっている部分なので、その動きとの連動をより強く感じることができます。下部に空気を入れることを意識するときには、肋骨の中に風船が入っていることをイメージして、風船を大きく膨らませるような動きをするように呼吸するとそのダイナミックな動きがわかります。ここがうまく動かないと、横隔膜もうまく動かないので、この部分の肋骨には特に意識を向けて欲しいと思います。

ヨガだけでなく様々なボディーワークでも肋骨の動きが意識されますが、例えば床に置いたポールの上に寝て脊柱を刺激するようなストレッチでは、肋骨の動きの根幹である脊柱と肋骨の関節の動きが改善されることもあるようです。また、もっと手軽に、膝を抱えた「体育座わり(三角座り)」の状態で、ヨガマットの上をゴロゴロと起き上がり小法師のように転がってみるのもいい方法です。直接脊柱周りの可動性を上げる効果があります。自分自身の意識ではうまく動かないなあと感じている方は、そういった方法も取り入れてみるといいかもしれません。

教えてくれたのは…得原藍さん
大学時代にアメリカンフットボールの学生トレーナーをした経験から身体運動に興味を持ち、卒業後社会人経験を経て大学に再入学し理学療法士となる。総合病院と訪問リハビリテーションで臨床経験を積み、身体運動科学について学ぶために大学院に進学、バイオメカニクスの分野で修士号を取得して5年間理学療法士の養成校で専任教員を勤める。現在はSchool of Movement®️ IES Directorとして様々な運動関連職種の指導者に対してバイオメカニクスを中心とした身体運動の科学を教えている。

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