使ったCO2を帳消しに!「カーボンオフセット」のすすめ ♯未来のためにできること

 使ったCO2を帳消しに!「カーボンオフセット」のすすめ ♯未来のためにできること
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湊亜弥子
湊亜弥子
2019-01-23

地球温暖化を止めるためにCO2を削減したい…そんな気持ちは山々だけれど、電気や家電の使用など、現代の暮らし方では毎日どうしても排出せざるを得ないCO2。いくら低炭素な暮らしを心がけても、残念ながらすべてを削減することは難しいものです。そこでオススメしたいのが「カーボンオフセット」。これは自分が排出したCO2量を視覚化して、その一部を帳消しにする取り組みで、2020年東京オリンピックでも取り入れられる注目のシステムです。

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どのくらいCO2を排出しているか考えたことはありますか?

これまでに、毎日の暮らしで自分がどのくらいCO2を排出しているか、考えたことはありますか? 日常生活では家電製品の使用を含む電力の消費、給湯や冷暖房、マイカーの使用などが多く排出しますが、旅行や移動で利用する飛行機でもたくさんのCO2が排出されます。地球温暖化を加速させる温室効果ガス、つまりCO2の排出量は世界中で削減対策がさまざま実施されていますが、近年日本でも広まりつつあるのが「カーボンオフセット」です。

これは自分が出したカーボン=(炭素)の量を把握し、そのぶんCO2を減らすプロジェクトや自然エネルギー事業などに寄付・投資をしたり、環境保全活動などに貢献することでオフセット=プラスマイナス0にするというシステムです。イギリスをはじめとした欧州やアメリカ、オーストラリアなどではすでに取り組みが活発で、日本も2008年に環境省が「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」をまとめ、2012年から「カーボン・オフセット制度」が運営されています。

カーボンオフセットのサービスを代行するプロバイダーのサービスとは?

一般にはカーボンオフセットのサービスを代行するプロバイダー(民間事業者)に委託して行いますが、まずは自分がどれくらい温室効果ガスを排出しているかを知る、それがカーボンオフセットの第一歩。排出量を算出したら、それをなるべく減らすような心がけも大切です。とはいえ、いくら努力しても排出量をゼロにすることは難しいはず。そこで自分自身で減らせない代わりに、地球上のどこか別の場所でCO2を減らす活動をしている団体などに寄付・貢献をして帳消しにします。たとえば、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業(排出権クレジットの購入)による削減活動などが対象です。森林は光合成で二酸化炭素を吸収してくれるため、森林保護活動については「グリーンカーボン」と呼ばれます。いっぽう海の中でも二酸化炭素を吸収して光合成を行う海藻類や植物プランクトンがCO2吸収源となり、アマモやワカメなどの海藻を育てる活動などは「ブルーカーボン」と呼ばれています。

すでに取り入れている方々は、「自分のCO2排出活動をなるべく幅広く把握して、そこから出るCO2の一部、またはすべてオフセットしたい」と考える人もいれば、「海外旅行を楽しんできたから、せめて往復の飛行機から排出されたCO2量の一部をオフセットしたい」と考える人も。また、最近はスポーツの国際大会などでも、外国の選手がたくさん日本にやってきた場合、彼らが飛行機で移動した際に排出したCO2量を算出し、そのぶんを大会運営部がカーボンオフセットを行うケースも増えているようです。実際の排出量の算定や、オフセットの対象とするCO2削減活動については、「カーボン・オフセット・プロバイダー」がさまざまな参考情報やアドバイスを提供しているので参考にしてみましょう。

「カーボンオフセット」は、まず自分のCO2排出を意識づけできるメリットもあり、そして「地球温暖化問題の解決に貢献したい」という優しさを行動に移すためのひとつの手段です。ここで「お金を払えばいくらCO2を出してもいい!」と考えてしまっては本末転倒。まずは電力を無駄に消費しないなど、日常でできる削減から取り組みながら、「カーボンオフセット」も上手に取り入れてみてくださいね!

 

 

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