「みぞおちが痛い」それ病気のサインかも?みぞおちが痛い時に考えられる病気とは?医師が解説

 「みぞおちが痛い」それ病気のサインかも?みぞおちが痛い時に考えられる病気とは?医師が解説
Adobe Stock
甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-02-27

日常生活の中でみぞおちのあたりが痛い、胃がキリキリする、といった症状があったら、何らかの病気のサインかもしれません。その原因や対処法について医師が解説します。

広告

「みぞおちが痛い」時に考えられる病気は?

日常生活でみぞおちが筋肉痛のように痛む際には様々な原因が考えられて、緊急性のある症状の場合には医療機関での治療が必要になることもあります。

みぞおち痛む症状で考えられる原因疾患として、「急性胃炎」が挙げられます。

アルコールをたくさん飲むと、胃の粘膜を覆っている粘液がはがれて、そこからアルコールが浸透し、胃酸が直接胃の粘膜にあたり、胃の粘膜が充血してむくみが生じ、さらに刺激を受けることで胃内に小さな点状の出血やただれのような病変がみられるようになります。

急性胃炎になっても、通常2日くらい消化しやすいものを食べて安静にすれば、胃は回復します。

急性胃炎を引き起こす3大原因は、薬剤性、アルコール性、ストレス性と言われていますし、アニサキスやピロリ菌による感染症も原因となります。

また、急性胃炎の原因の約半数が薬剤性と言われており、具体的にはアスピリンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤やステロイド、抗生物質などが挙げられます。

心配であれば、消化器内科専門医などに相談しましょう。

機能性ディスペプシア
photo by Adobe Stock

みぞおちが痛い時に考えられる機能性ディスペプシアとは?

みぞおちが痛い際には、「機能性ディスペプシア」という状態が鑑別に挙がります。

機能性ディスペプシアは、検査で明らかな異常がないにもかかわらず、みぞおち辺りの痛みや胃もたれなどの上腹部症状を現す病気を指しています。

機能性ディスペプシアを引き起こす原因としては、主に胃の蠕動運動に関する機能障害、内臓の知覚センサーが通常より過敏になっている、あるいは心理的なストレスなどが挙げられます。

機能性ディスペプシアの原因はまだはっきりと分かっていませんが、胃・十二指腸の運動異常や知覚過敏、胃酸分泌、心理的なストレスなどが原因のひとつと考えられています。

機能性ディスペプシアに対しては、対症療法的に腹痛症状には鎮痛薬、吐き気症状には制吐剤などを利用して症状緩和に努めます。

機能性ディスペプシアでは症状に応じた薬を用いて治療し、第一選択薬として推奨されているのが、胃酸の分泌を抑える酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬など)です。

心配であれば、消化器内科専門医など受診しましょう。

まとめ

日常生活において、みぞおちが痛い、胃がキリキリするなどの症状に悩まされて、その原因や対処法がわからずに困っている人というのは、少なくありません。

みぞおちが痛む際には、急性胃炎や機能性ディスペプシアなどが鑑別に挙がりますので、消化器内科を受診して専門医に相談しましょう。

特に、機能性ディスペプシアの場合には、規則正しく食生活を送って、胃腸のバランスが整いやすい栄養素の豊富な食品を積極的に摂取するように努める必要があります。

心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

機能性ディスペプシア