「もやしは栄養がない…」はウソ!もやしの豊富な栄養素と、期待できる効果を管理栄養士が解説


9割以上が水分でできているもやしですが、じつは食物繊維やビタミンB1などの栄養素も含まれています。なかでも、うま味成分の1つであるアスパラギン酸が豊富に含まれているのが特徴です。 今回はもやしのアスパラギン酸について詳しく解説します。アスパラギン酸に期待できる効果などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
もやしのアスパラギン酸含有量はアスパラよりも豊富

スーパーで手軽に手に入れられる緑豆もやし100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
- エネルギー 15kcal
- 水分 95.4%
- タンパク質 1.8g
- 脂質 0.1g
- 炭水化物 2.4g
- 食物繊維 1.3g
- カリウム 79㎎
- ビタミンB1 0.04mg
- ビタミンB2 0.05mg
もやしのほとんどは水分で構成されていますが、食物繊維やビタミンB群も豊富に含まれています。また、もやしは、アスパラギン酸を多く含んだ野菜でもあります。もやしとアスパラに含まれるアスパラギン酸の含有量を、以下の表で比較してみました。

アスパラギン酸はアスパラに1番多く含まれていると思われがちですが、じつは、アスパラよりももやしの方がアスパラギン酸含有量が多いのが特徴です。とくに、大豆もやしには、アスパラの約2倍のアスパラギン酸が含まれています。
もやしのアスパラギン酸に期待できる効果

ここでは、もやしのアスパラギン酸に期待できる効果を紹介します。
エネルギーの生成を促す
アスパラギン酸は、たんぱく質の材料となるだけでなく、エネルギー源としても利用されます。体内でエネルギーに変換されるグリコーゲンの生成の促進に関与するのが特徴です。十分なエネルギーの補給は、スタミナ不足を回避できるでしょう。
疲労を回復する
過度な運動は、体内のアンモニアの増加につながります。アンモニアは、筋肉を疲労させる原因といわれている物質です。アスパラギン酸はアンモニアの解毒作用が期待できるため、体内のアンモニアの増加を防いで疲労回復のしやすいからだづくりができるでしょう。もやしには、エネルギーの生成や疲労回復効果が期待できるアスパラギン酸が多く含まれています。安くて便利なだけでなく栄養も豊富に含まれているため、日々の食事にぜひ積極的に活用してみてください!
肌の新陳代謝を促進する
アスパラギン酸は肌の新陳代謝の促進にも関与します。肌の生まれ変わりを助けてくれるため、キレイな肌づくりをサポートしてくれるでしょう。また、肌の酸化を防ぐ効果が期待でき、肌の老化予防や保湿力を高めます。
【参考文献】
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/(もやし類)/りょくとうもやし/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/アスパラガス/若茎/生 - 02.アミノ酸-可食部100g
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/(もやし類)/りょくとうもやし/生 - 02.アミノ酸-可食部100 g
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/(もやし類)/だいずもやし/生 - 02.アミノ酸-可食部100 g
井上和 運動・栄養と中枢性疲労発生機構 ─ による中枢性疲労発生と代謝調節─
ライター/菅理栄養士 山田佳奈子
管理栄養士。約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れており、0歳から5歳の年齢に合わせた指導で「食を楽しく学ぶ」を大切に活動。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。
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