「アイスクリームは栄養価が高いって本当?」意外と知らないアイスクリームの栄養素を管理栄養士が解説


アイスクリームと言えば、嗜好品のイメージが強くあまり体に良い印象を持っていない方も多いはず。 この記事では、アイスクリームに含まれる栄養素について解説し、アイスクリームの栄養価が高いのか、どれくらいなら食べてもよいのかなどについて管理栄養士目線で紹介していきます。
アイスには種類がある?
実は、「アイス」と一般的にいわれているものには種類があり、「アイス」に含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって区分分けされています。
名称 | 乳固形分 | うち乳脂肪分 |
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 |
ラクトアイス | 3%以上 | |
氷菓 | 上記以外 |
この記事では、氷菓以外のものをいわゆる「アイスクリーム」として紹介します。
また、栄養価に関しては3種類を平均化して紹介していきます。
アイスクリームは栄養価が高い?
嗜好品としてのイメージが強いアイスクリームですが、含まれる栄養素の大部分が糖質と脂質であり、「摂取しづらい栄養素を含んでいるか」という観点では、栄養価が高いとは言えません。また、アイスクリームである以上原材料が同じであることが多いため、含まれている栄養素の種類は変わりませんが、含まれている量は商品によって大きく異なります。そのため、アイスクリームにどんな栄養素が含まれているのかを知っておけば、その栄養素に合わせた商品を選ぶことが可能になります。

アイスクリームに含まれる栄養素とその働きとは
アイスクリームは、牛乳や生クリーム、卵、砂糖などからできているためそれらの食材が持つ栄養素が含まれています。実際に、アイスクリームに含まれている栄養素とその働きについて紹介します。
糖質
アイスクリームには多くの砂糖が用いられているため、糖質が多く含まれています。アイスクリームのカロリーは、100gあたり約180kcalです。糖質は、昨今の健康ブームで悪者のように捉えられがちですが、身体のエネルギー源としてなくてはならない必須の栄養素です。また、脳や神経は原則エネルギー源として糖質しか使用することができないため、不足するとそれらの器官に影響が現れると言われています。ただし、糖質の過剰摂取は血糖値の上昇や内臓脂肪の蓄積などの原因となり、生活習慣病のリスクともなるため、摂りすぎには注意が必要な栄養素です。また、アイスクリームは満腹感を感じづらく食べ過ぎてしまいやすい食品のため、特に注意が必要です。
たんぱく質
アイスクリームは、牛乳や卵を材料として作られるため、それらからくるたんぱく質も含まれています。たんぱく質の量は100gあたり約3.5gとあまり多くはありません。たんぱく質は、筋肉や臓器などの材料となる他、エネルギー源としても使用される栄養素です。不足すると、筋肉量の低下などを引き起こし、痩せにくい体になるなどの影響が現れます。
脂質
アイスクリームには生クリームが使われているため、脂質も多く含まれています。脂質の量は、100gあたり約8gとなっており、大量に含まれているとは言えませんが、脂質をしっかり含んだ食品ではあります。脂質は、体内でエネルギー源となるほか、細胞膜の構成成分にもなっているなど、身体に必要な栄養素です。しかし、脂質は1gあたりのエネルギー量が多いため、脂質が多い食品はカロリーが高くなります。アイスクリームも、脂質が多い食品はカロリーが上がるため、商品を選ぶ際は表示をしっかり確認するようにしましょう。特に、乳脂肪分の規定がないラクトアイスには植物性の油脂が添加されていることも多く、意外とカロリーが高い商品が多いため、カロリーを抑えたいという方は特に注意が必要です。
アイスクリームは1日にどれくらいなら食べてもいい?
アイスクリームは、1日に1個以下にしておきましょう。アイスクリームは商品によってカロリーが大きく異なるため、選ぶ際は可能な限り低カロリーのものがおすすめです。自分の好きなアイスクリームが高カロリーの場合は、食べる頻度を2,3日に1回にするなどの調整も必要です。特に、暑い夏には毎日アイスクリームを食べたくなりますが、生活習慣病がある方やリスクが高い方は特に、食べる頻度や量、商品選択に気をつけましょう。
まとめ
アイスクリームに含まれる栄養素と1日に食べてもいい量について紹介してきました。
アイスクリームは糖質、たんぱく質、脂質の3大栄養素を含む食品ですが、それら以外の栄養素が少なく、栄養価が高いとは言えません。
また、アイスクリームは商品によってカロリーや含まれる栄養素が大きく異なりますので、商品の表示をしっかりと確認し、自分にあった商品を選択しましょう。
▼参考
食品成分データベース 文部科学省
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