食べ過ぎ注意!アイスクリームと氷菓のエネルギー・糖質・脂質をちゃんと理解している?管理栄養士解説
夏のほてった体を冷やしてくれるアイスクリームやシャーベット。甘くて口当たりもよく、ついたくさん食べたくなりますが、アイス類にどのくらいのエネルギーや糖質が含まれるか知っていますか?この記事では、アイス類のエネルギー・糖質・脂質について管理栄養士が解説します。太りにくいアイス類の選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
4種類の「アイス」の違い
一般的に「アイス」と呼ばれる冷たい食品は、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4つに分けられます。これらの違いは、乳固形分と乳脂肪分の割合によるものです。
乳固形分と乳脂肪分がもっとも多いアイスクリームは、なめらかな口当たりとコクのあるリッチな味わいが特徴です。アイスミルクは乳固形分と乳脂肪分が控えめで、味は比較的あっさりとしています。商品によっては、植物油脂が使われる場合があります。
ラクトアイスの特徴は、さっぱりとした味わいと手頃な価格。その理由は、乳脂肪分の代わりに植物油脂を使用しているためです。氷菓は乳固形分3.0%未満、または乳成分をほとんど含まないアイス類を指します。シャーベットやアイスキャンディー、かき氷などが当てはまります。
アイス類のエネルギー・糖質・脂質
次の表は、一般的なアイス類100gあたりのエネルギーと糖質を比較したものです。
上記は100gあたりの数値ですが、安価なラクトアイスでは1個の容量が200ml程度の商品も少なくありません。そのため、アイスを1個食べると300kcal以上、30g以上の糖質を摂取する場合もあります。ご飯に換算すると、エネルギー量は茶碗大盛り1膳(200g)、糖質量はその半分量(100g)程度にあたります。
アイス類に糖質が多いのは、人は温度が低くなると甘味を感じにくくなることが理由です。人が甘味を感じやすい温度は体温付近とされています。したがって、アイス類は甘味を感じやすくするために多くの糖類が使われており、その分糖質量が多くなります。
ヘルシーにアイスを楽しむには?
アイス類は意外にエネルギーや糖質、脂質が多く、食べ過ぎると太るおそれがあります。それでもアイス類を食べたいときは、アイスクリームやアイスミルクを選びましょう。
アイスクリームとアイスミルクは乳固形分、つまりたんぱく質や脂質が多く含まれています。たんぱく質と脂質には、糖質の吸収を遅らせて血糖値の上昇を緩やかにする作用があります。
食後に上昇した血糖値が自然に低下するのは、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の作用です。インスリンには、糖質を脂質に変えて体にため込む働きもあります。そのため、血糖値が急上昇すると必要以上にインスリンが分泌されて、太りやすくなるのです。
糖質が多く、たんぱく質や脂質が少ない氷菓を食べると、血糖値が急上昇して太りやすくなります。また、ラクトアイスはエネルギーと脂質が多いのが気になるところ。そのためエネルギーが控えめで、たんぱく質や脂質が適度に含まれるアイスクリームとアイスミルクのほうが、太りにくいと考えられます。
近年は、エネルギーが控えめな豆乳アイスや糖質オフのアイスも登場しています。アイス類を上手に選んで、健康的に涼を取ってくださいね。
【参考文献】
全国公正取引協議会連合会「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約・公正競争規約施行規則」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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