自然な甘さでお肌をうるおす「さつまいもとりんごのデザートポタージュ」 #管理栄養士のスープ
体の栄養だけでなく、心にも栄養を。心で味わいほっと自分に還ってこられるようなスープのレシピを、管理栄養士の高波紗希さんに連載形式で教わります。
寒くなると、ついチョコレートやケーキなどの濃厚なスイーツを欲しがち。
しかし、お砂糖の摂りすぎは、寒暖差で乾燥しがちなお肌に更に負担をかけてしまいがちです。
今回は、そんなスイーツ好きなあなたに伝えたい、乾燥から守る、お砂糖不使用のこっくり甘くて癒やされるポタージュのレシピをご紹介いたします。
砂糖と乾燥の密接な関係
1. 糖化(AGEs)の影響
糖化とは、体内で余分な糖分がタンパク質や脂質と結びつき、終末糖化産物(AGEs)を生成する現象のことを言います。このAGEsは肌のコラーゲンやエラスチンを硬化させることで、お肌の弾力低下や乾燥やシワの原因になります。コラーゲンが糖化すると、水分保持力が低下し、乾燥肌が進行してしまいます。
2. インスリン分泌と炎症
砂糖を多く摂ると血糖値が急上昇し、インスリンが大量に分泌されます。このインスリンの急増は、体内の炎症を促進し、肌のバリア機能を弱めてしまうことで、乾燥しやすくなるだけでなく、赤みやかゆみなどの症状も悪化する可能性があります。
3. 肌の保湿力低下
高糖質な食事を続けると、肌のセラミドやヒアルロン酸の生成が低下する可能性があります。これらの成分は肌の潤いを保つのに重要ですが、糖分の影響でその生成が抑制されると乾燥が進んでしまいます。
4. 腸内環境への悪影響
砂糖を摂りすぎると、腸内で悪玉菌が増殖しやすくなります。腸内環境が乱れると、肌の調子も悪化しやすく、乾燥肌や肌荒れを引き起こす原因になります。
とは言っても我慢は大敵なので、食べたいときは美味しくいただき、置き換えられる時は、お芋や果物などの自然な甘さの食べ物を取り入れながら、バランス良く、楽しく付き合っていきましょう。
スープとうるおいポイント
今回ご紹介するポタージュの、お肌への潤いポイントを食材別に解説いたします。
1. さつまいも|ビタミンCと食物繊維が美肌をサポート
さつまいも豊富に含まれているビタミンCは、コラーゲン生成をサポートする重要な栄養素で、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。また、食物繊維も豊富なため、腸を整え、老廃物を体外に排出することで乾燥などの肌トラブルの原因を減らしてくれます。
2. りんご|︎ポリフェノールとペクチンで抗酸化と保湿効果
りんごに含まれるポリフェノールの最強な抗酸化作用によって、お肌を酸化ストレスから守ってくれます。
これにより、シワやたるみといった老化の原因を軽減することが期待できます。
更にさつまいもと同様、りんごにも食物繊維が豊富なため、デトックスにも◎
3. 玉ねぎ|︎硫化アリルで血行促進
玉ねぎには硫化アリルという成分が含まれており、血液の流れを良くする効果があります。
血行が促進されると肌に必要な栄養や酸素が行き渡りやすくなり、透明感のある肌を目指すことができます!
4. オーツミルク|ビタミンEと脂質で保湿力アップ
オーツミルクは、植物性ミルクの中でも特にビタミンEが豊富で、肌の保湿力を高める効果があります。
また、適度な脂質が含まれているため、肌のバリア機能をサポートし、乾燥を防いでくれます。
5. レーズンとシナモン
︎レーズンは、鉄分が豊富で、貧血予防や血行改善に役立ち、血行が良くなることで、肌のターンオーバーもスムーズに進みます。
また、シナモンは抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぐサポートをしてくれます。
自然な甘さでお肌をうるおす「さつまいもとりんごのデザートポタージュ」の作り方
材料(2人分)
・さつまいも....1本(300g)
・りんご.... 1/2個
・たまねぎ.... 1/4個
・バター.... 10g
・水.... 200ml
・塩....小さじ1/2
・オーツミルク(牛乳又は豆乳でも◎) .... 200ml
作り方
1.玉ねぎは薄切りに。さつまいもとりんごは皮を剥き、りんごの種の部分は取り除く。それぞれ一口大に切る。
2.鍋にバターを入れ弱火で溶かしたら、玉ねぎをうっすら茶色になるまでしっかり炒める。
そこに①を加え、さつまいもの表面に火が通り透き通ってきたら、水を加えてしっかり火が通るまでに煮込む。
3.火を止め、粗熱が取れたらミキサーに入れ、オーツミルクも加えてペースト状にする。
再び鍋に戻し、弱火にかけて、塩で味を整える。
器に盛り、お好みでレーズンとシナモンをふりかけたら完成。
AUTHOR
高波紗希
管理栄養士。11年間に渡る摂食障害を「食とこころ」と向き合い、整えることでありのままの自分を認め克服した経験から【 自分を大切にする、食とこころの栄養学 】をテーマにSNSで発信をしている。食べることに対する罪悪感や、生きづらさを感じている方に向けて、素材を大切にしたグルテンフリーの料理教室やレシピ提供、講座、相談室など多方面で活動している。
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