ニキビだと思っていたけど、実は痒疹(ようしん)かも?医師が教える、ニキビと痒疹の違いとは


生活習慣の乱れや睡眠不足が続くと現れがちなニキビ。いつもの吹き出物ではなく、それは痒疹かもしれません。痒疹とニキビ、それぞれの発症要因・治療や対策について医師が解説します。
痒疹とは?
痒疹(ようしん)とは、強いかゆみを伴う発疹(ほっしん)ができる病気の総称であり、一般的に、病変部の大きさや色など発疹の形状は多様です。
場合によっては、腹部の周囲やお尻など限られた部位のみに発症することもあれば、全身に発疹が生じることもあります。
発症後1週間程度で改善する急性のものもありますが、数か月しても治らないものもあるため、注意が必要です。
痒疹の発症要因はさまざまで、虫刺されなどをきっかけに発症することもあれば、感染症や皮膚疾患の悪化などが要因になる場合もあります。
感染症や皮膚疾患などの基礎疾患が発症の要因となっている場合には、基礎疾患の治療を行う必要がありますし、それ以外の要因で発症している痒疹では、必要に応じて抗ヒスタミン薬などを用いてかゆみの症状を抑える治療を行います。
ニキビとは?
寝不足や日々のストレスなど不規則な生活習慣によって自立神経が乱れると、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌にも影響を及ぼして、角質層が厚くなる変化に伴って毛穴が詰まりやすく、皮脂が過剰に分泌されて顔面部などにニキビを発症させやすくなります。
ニキビは継続する皮膚への物理的刺激に伴う肌質の変化であり、長く頬杖を突く動作を続ける、あるいは髭剃りを連日行うなど、皮膚への直接的な物理的刺激が顔面周囲の皮膚組織を傷つけて、細菌が侵入して炎症を起こしてニキビを発生させると考えられています。
日常生活において慢性的に睡眠時間が不足すると、肌が生まれ変わるターンオーバーの生理的なリズムが破綻してしまい、皮膚が荒れやすく顔面部を中心にニキビができやすくなると指摘されています。
また、不規則な生活習慣によって自立神経が乱れると、ホルモン分泌にも影響を及ぼして、顔面部にニキビが形成されやすくなるなど、ニキビは、生活習慣の乱れ、過剰な精神的・身体的ストレス、ホルモンバランスの異常などによって引き起こされます。
顔面などに出来たニキビがなかなか治らない場合には、規則正しい生活を送るように心がけて、市販塗り薬を上手に用いて皮膚科や形成外科など専門医療機関で治療を受けるのが推奨されます。

一般的にニキビが繰り返して顔面部に出来る場合には、軽症から中等症までは塗り薬で対応できますが、痛みを自覚するニキビが顔の片側だけで6個以上多数存在する際やニキビがひどく化膿している場合には、ニキビ専門の皮膚科などに受診しましょう。
痒疹とニキビの違い
痒疹
痒疹の発症メカニズムはまだ解明されていませんが、なかでも虫刺されや金属アレルギーをきっかけに発症するケースが多いといわれていますし、アトピー性皮膚炎など慢性皮膚疾患の悪化、薬の副作用などが原因で発症することもあります。
痒疹は腹部や臀部といった特定の部位、あるいは全身に現れ、強いかゆみをきたすため、仕事や日常生活に影響が出たり、睡眠の質を低下させたりすることもあります。
また、かゆいからといって皮膚を過剰に搔いてしまうと、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあるため、なるべく早く症状を和らげるためには適切な治療を行うことが重要です。
痒疹の場合には、薬物療法が治療の基本となり、ステロイドの塗り薬で発疹の改善を図りながら、必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服を行いかゆみの症状を抑えます。
数カ月程度の治療を継続しても症状の改善がみられない場合には、ステロイドの局所注射や内服などを併用しながら治療経過をみていきます。
ニキビ
一方で、ニキビは、実に90%以上の人が経験する身近な病気です。
ニキビは、「青春のシンボル」、「成長過程の一つ」という認識を持たれがちですが、炎症がひどいと痕が残ることもあり、患者さんにとっては大きな苦痛に繋がります。
ニキビは、主に「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」の3種類に分類されています。
その中でも白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まった初期段階で認められるニキビのタイプであり、毛穴に詰まった皮脂などによってアクネ菌を始めとする様々な皮膚常在菌が繁殖すると、患部に炎症が惹起されて赤ニキビに移行します。
ついついかゆいニキビを触って潰す方がいらっしゃいますが、その行為は直接的に皮膚刺激となって細菌感染を惹起して病原体を繁殖させやすくするので安全ではありません。
原則として、ニキビができた際には、ニキビを潰さない、そして出来るだけ触らないことがニキビを治癒させる近道と考えられています。
まとめ
これまでの人生において、顔面を中心にニキビなどの吹き出物が出来てかゆくなる、あるいは肌にブツブツが出来て皮膚が荒れた経験などがある方も少なからずいらっしゃることでしょう。
一般的に、皮膚疾患や感染症などは痒疹の発症要因となり得るため、これらの基礎疾患の治療を行うことが大切ですし、外出時、特に山や川でレジャーを楽しむ際には虫刺され対策をしっかり行いましょう。
また、ニキビは普段の生活習慣の乱れ、過剰なストレス、睡眠不足やホルモンバランスの異常など様々な要因が影響することによって引き起こされます。
新しく生まれ変わる皮膚のターンオーバーサイクルが乱れて外的刺激から肌を守るバリア機能が低下することで、顔面部などにニキビができやすくなります。
基本的には、ニキビに対する対策で重要なことは、規則正しい生活を送ってホルモンバランスを整える、あるいは日々の生活においてストレスを感じないように、リラックス状態を維持することが重要なポイントとなります。
心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診して相談しましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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