「納豆を食べるなら、夜がいい」ってホント?気になるダイエット効果とおすすめの取り入れ方
ヘルシーで栄養豊富なイメージが強い納豆は、ダイエット中の方に人気が高い食材のひとつ。「夜に食べるのがおすすめ」と話題になることもあり、なんとなく夕食に納豆を食べる方も多いようです。みなさんは「納豆を夜に食べること」にどのようなメリットがあるのかご存知でしょうか?今回は、納豆が「ダイエットによい」「夜に食べるとよい」と言われる理由について、管理栄養士が解説します。
納豆はダイエットに効果的?
納豆は、カロリーを抑えながら、筋肉の材料となるたんぱく質を効率的に摂れるため、ダイエットによいと言われています。実際には、納豆1パック(45g)あたりに、エネルギー量(カロリー)は約83kcal、たんぱく質は約7.5g含まれています。
また、納豆に含まれる納豆菌や、食物繊維、オリゴ糖には、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる効果も。近年、腸内環境の乱れが肥満と関連しているのではないか、とも言われているため、納豆はダイエット中に意識して取り入れたい食品のひとつです。
しかし、納豆には特別「痩せやすい栄養素」が入っているわけではありません。食べすぎは、カロリーの摂りすぎや、栄養のかたよりにつながるおそれがあります。あくまでもダイエットのサポート役として捉えるのがおすすめです。
健康的なダイエットのためには、納豆ばかりを食べて体重減少を目指すのではなく、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン・ミネラル)を揃えたバランスのよい食事をベースにすることが大切です。そのうえで、納豆を主菜のひとつとして、献立に取り入れてみましょう。
「夜食べるのがよい」と言われる理由とは?
「納豆は夜に食べるのがおすすめ」と聞いたことはありませんか?
実は、私たちの血液は夜中から早朝にかけて固まりやすく、その時間帯に血栓ができやすいと言われています。血栓を予防するために注目されているのが、納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」です。ナットウキナーゼは、納豆のネバネバ部分に含まれている酵素で、血液をサラサラにする効果が期待できます。
そんなナットウキナーゼの効果を最大限に引き出すには、夕食後や就寝前に納豆を食べるのがおすすめだとされています。つまり、「血栓を予防する」という意味合いで、「納豆は夜に食べるのがよい」というわけです。
「ダイエット」という観点だけで考えれば、納豆を食べるタイミングは夜にこだわる必要はありません。
痩せを狙うなら朝!
ダイエットをしている方には、夜ではなく朝に納豆を食べることをおすすめします。「納豆ごはん」のような「炭水化物+たんぱく質」の朝食を摂ると、体内時計のズレがスムーズにリセットされやすくなるためです。体内時計がしっかり整うと、代謝が高まり、痩せやすい体質になります。ぜひ取り入れてみてください。
【参考文献】
・文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
・日本ナットウキナーゼ協会,ナットウキナーゼ
・東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部監修「その調理、9割の栄養捨ててます!」世界文化社
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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