〈納豆にわさび〉入れてみたことある?意外だけど美味しい、得られる効果は?管理栄養士が解説
納豆にはからしを入れるという方も多いと思いますが、実はわさびを入れるのもおすすめです。意外に思われるかもしれませんが、わさびには健康や美容に嬉しい効果もたくさんあります。そこで、今回は納豆にわさびを加えることで得られる栄養効果について解説いたします。
わさびの栄養効果
わさびは鼻を抜ける辛味や清々しい香りが特徴で、日本人にはなじみ深い薬味です。まずは、わさびにどのような効果があるのかをお伝えいたします。
抗がん作用
わさびに含まれる「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」にはがん細胞の増殖を抑える働きがあります。膵臓がんや乳がん、大腸がんなど幅広いがんに対する制御効果が知られています。
抗酸化作用
ストレスや生活習慣の乱れなどにより活性酸素が大量に生成されると、過酸化脂質が発生し、動脈硬化やがん、老化、免疫機能の低下などを起こします。わさびに含まれる「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」には活性酸素の働きを抑え、取り除く効果があります。
抗菌効果
わさびに含まれる「アリルイソチオシアネート」には強い抗菌効果があることが知られています。食中毒の原因となる病原性大腸菌O157などの細菌やカビの増殖を抑える効果が報告されています。
血栓予防作用
わさびの香り成分である「ω-メチルチオアルキルからし油」は、血液中の血小板が集まって固まるのを抑制してくれる働きがあります。血栓(血の塊)が血管へ詰まるのを防ぐことから脳梗塞や心筋梗塞など血栓症の予防につながることが分かっています。
チューブのわさびは栄養効果がある?
すりおろしたわさびに含まれている「アリルイソチオシアネート」は、時間と共に徐々に減少してしまいます。また、わさびの種類や配合にもよりますが「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」は生のわさびと比べチューブわさびでは含有量がかなり少なくなってしまいます。
高い効果を期待するのであれば、生のわさびをすりおろしたものが最適です。
しかし、日常的に摂取する場合はやはりチューブ入りわさびが便利なため、ご自身のライフスタイルに合わせて摂りやすい方を選択するのが良いでしょう。
納豆にわさびもおすすめ
納豆も栄養効果の高い食材として知られており、血液サラサラ効果や高血圧の予防、骨折の予防など様々な効果が期待できます。納豆にわさびをプラスすることでさらに健康効果もアップするため、おすすめの組み合わせといえるでしょう。また、からしと同様に納豆にわさびを加えると、ピリッとした辛味とか爽やかな香りで納豆の独特なニオイも軽減してくれます。
納豆にわさびを加えるだけでもよいですが、アレンジレシピもおすすめです。わさびと納豆にマグロやアボガドを加える、丼ものやパスタの具としてなどアレンジも豊富です。
まとめ
納豆には血液をサラサラにする効果や血糖値を下げる効果があります。さらに、わさびには抗がんや抗酸化、血栓予防作用などがあり、両方を取り入れることで健康への効果もさらに期待できます。納豆にわさびは意外な組み合わせですが、栄養効果も高くなるためおすすめです。
【参考文献】
Motoki Ono, et al., Anti-tumor effect of Wasabi component, 6-(methylsulfinyl) hexyl isothiocyanate, against endometrial carcinoma cells, Discover Oncol, Dec14(9) 2023
厚生労働省:e-ヘルスネット,抗酸化物質
一色賢司,徳岡敬子:アリルイソチオシアネートによる食品の健全性確保,食品と微生物,10(1),1-6,1993
静岡県:わさびについての豆知識
わさびおよび加工わさび製品中の6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート含量, 村田充良 他, 日本食品科学工学会誌51(9) 477-482, 2004
AUTHOR
津端奈緒美
管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。
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