納豆は骨粗しょう症予防にも効果的?納豆が骨を強くする秘密|管理栄養士が解説
みなさんは、納豆の摂取量と骨折率が関係しているということはご存知ですか? 納豆には骨折の原因となる骨粗しょう症を予防する栄養がたっぷり。ここでは、納豆に含まれる栄養素が骨にどのような働きかけをして骨粗しょう症を予防するのかについて解説していきます。
そもそも骨粗しょう症って?
日本の高齢化と共に増えつつある骨粗しょう症。骨粗しょう症とは、骨量が減少することで骨がもろくなり、骨折しやすくなっている状態のことです。特に女性は閉経後の女性ホルモンの変化の影響により発症リスクが高まります。加齢や閉経といった避けることのできない部分もありますが、食事や運動などの生活習慣の改善により骨粗しょう症のリスク回避をすることも可能です。
納豆で骨が強くなる理由
骨を健康にするためにまず思い浮かぶのは「カルシウム」ではないでしょうか。しかし、それだけでは骨粗しょう症を防ぐことはできません。より骨を丈夫にするためには、カルシウムの吸収を促す「ビタミンD」と骨へのカルシウムの取り込みを助ける「ビタミンK」も不足なく摂る必要があります。
さらに、女性は閉経後に骨を形成するための細胞を活性化させる女性ホルモンである「エストロゲン」が激減し、これにより骨粗しょう症のリスクが高まります。
そこで注目したいのが納豆です!納豆はカルシウム、ビタミンD、ビタミンKが豊富に含まれているため、骨の形成に役立ちます。また、大豆に含まれる「イソフラボン」はエストロゲンと同じ働きをしてエストロゲンの減少を補う作用があるため、骨粗しょう症の予防・改善に効果があると考えられています。実は、イソフラボンを多く含むとされている大豆製品の中でも、一食分含有量は納豆がトップ!加熱不要で手軽に食べられるのも嬉しいポイントですね。
西日本には骨折する人が多い?
納豆が骨を丈夫にすることに大きな影響を与えているということが明確になった調査があります。1987年~2007年の20年間を調べたところ、納豆の消費量が多い地域ほど骨粗しょう症による骨折が少ないということが判明したのです。昔から納豆を食べる習慣のあった関東以北に比べて、納豆消費量の少ない関西は骨折率が高いことから、納豆の消費量と骨折には関係があると考えられています。これは、骨粗しょう症で骨折する人は血中のビタミンKが少ないという調査から、ビタミンKを豊富に含む納豆の摂取量が結果を左右したといえます。
毎日1パックの納豆で健康な骨づくりに役立てよう!
納豆には丈夫な骨づくりに必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、イソフラボンが豊富に含まれています。これに、日頃から栄養バランスの整った食事と程よい運動習慣を取り入れることでより一層効果が高まります。
納豆を毎日1パック食べて骨粗しょう症に負けない強い骨にしていきましょう♪
参考文献:
・厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
・e-ヘルスネット(厚生労働省)「骨粗しょう症予防のための食生活」
・タカノフーズ おかめ納豆サイエンスラボ「納豆の健康効果」
・「納豆摂取と骨折のリスク」
AUTHOR
加藤こころ
管理栄養士/食育アドバイザー。 病院、保育所、行政で勤務経験ありの栄養士歴15年の2児ママ。「みんながおいしく笑顔で健康に」をモットーに様々なライフスタイルに合わせたレシピ考案が得意。2023年からフリーランス管理栄養士としてスタート。
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