血圧が気になる人は納豆を食べるべき?納豆と高血圧の関係について管理栄養士が解説

 血圧が気になる人は納豆を食べるべき?納豆と高血圧の関係について管理栄養士が解説
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健康や美容に良いと注目されている納豆ですが、実は高血圧にも効果が期待できるということをご存知でしょうか?高血圧は日本人にとって生活習慣病になる最大のリスク要因です。 納豆が高血圧に効果的である理由を知り、納豆に含まれる栄養素のチカラで高血圧を予防しましょう。

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高血圧ってなぜいけないの?

世界的に見ても食塩の摂取量の多い食文化のある日本ですが、厚生労働省の調査によると、実は20歳以上の2人に1人は高血圧です。

高血圧の状態が長く続くと、心筋梗塞や心不全といった心臓病や脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、認知症などになりやすく、最悪の場合は死に直結する可能性も…。そのため、血圧が高めと言われたら食生活の見直しをしていく必要があります。

納豆で血圧が下がるわけ

納豆には高血圧を予防、改善する効果があると注目されています。その理由をご紹介します。

イソフラボン

大豆製品には「イソフラボン」が豊富に含まれていますが、納豆はその中でもトップクラス。このイソフラボンには継続的に摂取することで血圧が下がるという調査報告があります。これはイソフラボンの血管の拡張を助け、収縮することを抑える作用が血圧を下げると考えられています。

また、女性は40歳を超えると女性ホルモンの減少をきっかけに血圧が高くなりやすいのですが、イソフラボンが女性ホルモンと同様の働きをすることで血圧上昇を抑えてくれます。

イソフラボン
大豆製品にはイソフラボンが豊富に含まれている。

ナットウキナーゼ

納豆を食べると血液サラサラと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは納豆特有のネバネバのもととなる「ナットウキナーゼ」の働きによるもの。ナットウキナーゼは血栓を溶かしやすくする効果があるため、高血圧の予防にも役立つとわかっています。長時間水分を摂取することがない就寝時に血栓ができやすいので、夕食で納豆を食べるとより効果的です。

ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼには血栓を溶かしやすくする作用が。

カリウム

高血圧の予防や改善には欠かすことができないのが「カリウム」。カリウムは摂取することで体内から余分な塩分を排出し、血圧を下げる作用があります。実は、納豆1パックに含まれるカリウムは約300mgとたっぷり。これは、成人女性に必要なカリウム量の約1/7日分を納豆1パックで補えることになります。

カリウム
納豆1パックに含まれるカリウムは約300mg。

納豆はまさに天然のサプリメント

納豆は良質なたんぱく質が含まれ、1パックわずか76kcalと低カロリー。エネルギーやたんぱく質、脂質をバランス良くプラスでき、それに加えて、ビタミンやカルシウム、鉄、カリウム、食物繊維なども含む優秀食材といえます。さらに、納豆には血圧をコントロールする効果も期待できることがわかりましたね。継続的な納豆摂取で毎日の健康に役立てましょう!

 

*ワルファリンを服用している人は納豆を食べないでください。

参考文献:

厚生労働省:eヘルスネット「高血圧」

国立がん研究センター「発酵性大豆製品と高値血圧との発症との関連について」

フジッコ:イソフラボンのチカラ「高血圧・高コレステロールを抑制、心臓疾患を予防」

日本ナットウキナーゼ協会「血圧効果作用を確認」

日本食品標準成分表2020年版8訂

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AUTHOR

加藤こころ

加藤こころ

管理栄養士/食育アドバイザー。 病院、保育所、行政で勤務経験ありの栄養士歴15年の2児ママ。「みんながおいしく笑顔で健康に」をモットーに様々なライフスタイルに合わせたレシピ考案が得意。2023年からフリーランス管理栄養士としてスタート。



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