納豆をかき混ぜるほど美味しくなるって本当?味の違いや栄養学的な違いは|管理栄養士が解説
納豆を食べる時にかき混ぜて食べる方はほとんどではないでしょうか?かき混ぜるほど納豆の糸も多くなり見た目も美味しそうになりますが実際はどのような変化が起こっているのか? 今回は納豆を混ぜる事で見た目の変化だけではなく味や栄養は変わるのかという疑問を管理栄養士が解説します。
納豆はどんな栄養素が含まれているの?
納豆の中には、私たちの筋肉などの材料となるタンパク質や免疫機能や肌や粘膜を健やかに保つビタミンB群、鉄分、カルシウム、食物繊維など非常に多くの栄養素が含まれています。
またコレステロールも0食材なので、食事面で偏りが多いと感じられている方には納豆は魅力的な食材であり、日々の生活の中に意識して取り入れたくなります。
納豆を混ぜる事で美味しさの違いはあるの?
そもそも納豆は、納豆菌が大豆の成分を分解してねばねばする成分のフルクタンとポリグルタミン酸という2つの成分を主に作り、納豆の粘りを出します。
フルクタンという成分には味はあまりなく、私たちの体の中では腸内細菌の餌となることが多い成分です。このフルクタンという成分は納豆のネバネバを安定させる役割があります。
一方、ポリグルタミン酸ですが、私たちが食べる時にしっかり納豆をかき混ぜることで、ポリグルタミン酸から旨味成分で有名な「グルタミン酸」が作られて、より美味しくなります。
そのため納豆を混ぜることで旨味成分が多くなりより美味しくなります。
また、この旨味成分はほとんどの食品は時間と共に美味しさは失われていきますが、納豆の発酵がすすめば、より旨味となるポリグルタミン酸が多くなります。
混ぜることで栄養面の違いはあるの?
旨味という部分では美味しくなるということがわかりましたが、栄養成分は多くなるのか?という疑問もでてきますね。
実際には栄養価の変化は単純に混ぜる事では納豆の豆そのものに大きな変化はあまりありません、混ぜることでの主な変化は粘るという事が最大のポイントです。
旨味が多くなっている納豆にはグルタミン酸も豊富なのでタレのなどは出汁ベースのものを入れる事でイノシン酸が含まれるため一層美味しく感じます。
栄養面の大きな変化はないものの、混ぜることで美味しいおかずに変身するのは、忙しい朝や疲れて帰ってきた夜の強い味方です。
まとめ
納豆を必ず混ぜなければいけないという決まりはありませんが、混ぜる事で旨味が増したり、空気を含みふわふわの食感を作ることができるので、ご自身のお好みで調整し食べる事ができます。また、旨味の多い食品は、血圧が気になる方の強い味方。減塩を意識されている方などは、よく混ぜた納豆を取り入れることで味をしっかり感じることができるので、減塩のサポートにもつながります。
ぜひ参考にしてください。
出典
・厚生労働省食事摂取基準(2020年版):納豆の栄養素
・納豆の科学
AUTHOR
竹内寿美恵
保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。
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