トマトジュースと野菜ジュース、どんな時に飲むのが良い?体にいい?管理栄養士が教える飲み分け法
トマトジュースと野菜ジュースは手軽に栄養を補給できる便利な食材です。トマトのみで作られたトマトジュースと様々な種類の野菜から作られた野菜ジュース。どちらがより健康に良いのでしょうか?栄養素の違いと使い分け方を管理栄養士が解説します。
トマトジュースと野菜ジュースの栄養素の違いは?
トマトジュースと野菜ジュース100g当たりの栄養素は以下の通りです。
エネルギー | 糖質 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | βカロテン | ビタミンC | |
トマトジュース | 18kcal | 3.3g | 8mg | 260mg | 6mg | 310μg | 6mg |
野菜ジュース | 36kcal | 5.7g | 39mg | 310mg | 43mg | 4100μg | 37mg |
トマトジュースの方が低カロリーで糖質も低い結果となりました。含有量の多いビタミンやミネラルの量を比較すると野菜ジュースの方が全体的に多く含まれています。栄養素の違いで見るとまずは糖質を抑えたい方はトマトジュース。ビタミンやミネラルを補給したい人は野菜ジュースを選ぶという使い方ができます。
トマトジュースの特徴は?
低カロリーで糖質が低いことを除くと、野菜ジュースに比べてトマトジュースは栄養素が劣っているように見えます。しかしトマトジュースにはリコピンという栄養素が豊富に含まれています。リコピンは熱に強く、加熱することでより身体に吸収されやすくなるので、生のトマトを食べるよりも加工品の方が吸収率が良いとされています。リコピンには強い抗酸化作用があり、体内で発生した活性酸素を除去して老化の予防に役立ちます。活性酸素が増える原因はストレスや紫外線などが様々ですが、リコピンはシミやくすみの原因となるメラニン色素の生成を抑えて美肌効果も期待できます。他にも血圧を下げたり悪玉コレステロール値を低下させるなど生活習慣病の予防も期待できます。
トマトジュースをおすすめしたい方
・糖質が気になる方
・美容と健康どちらの効果も得たい方
野菜ジュースの特徴は?
野菜ジュースは様々な種類の全般的にビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。ビタミンやミネラルの働きは多岐に渡りますが、人間の身体の機能を正常に保つため必要な栄養素です。免疫力を高める、皮膚や粘膜を作る、三大栄養素がエネルギーに変換するのを助けるなど人間の身体の機能を正常に保つため必要な栄養素です。ビタミンやミネラルの摂取源は主に野菜、きのこ、海藻類になりますが、1日の目標量は350gと言われています。この量を1日で補うのはなかなか困難で、不足しがちな人が多い栄養素です。
野菜ジュースをおすすめしたい方
・ビタミンとミネラルを補いたい方
・野菜不足が気になる方
野菜ジュースを飲めば野菜を食べたことになる?
エネルギー | 糖質 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | βカロテン | ビタミンC | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | |
生野菜※ | 27kcal | 1.9g | 11mg | 380mg | 94mg | 2800μg | 87mg | 0.6g | 2.4g |
野菜ジュース | 36kcal |
5.8g |
39mg | 310mg | 43mg | 4100μg | 37mg | 0.7g | 0.3g |
※野菜ジュースの主な原料であるにんじん、小松菜、ケール、ブロッコリー、ピーマン各20gで算出。
野菜ジュースだけで100%野菜を食べる代わりにはなりません。その理由は原料からジュースを作る過程で失われる栄養素があるためです。野菜ジュースで大きく失われる栄養素の一つは不溶性の食物繊維です。野菜ジュースを絞ったあとの搾りかすに多く含まれています。野菜ジュースにはこの残りカスが含まれないので、不溶性の食物繊維はとても少なくなります。野菜は日常的に摂りたい食品ですが、外食が続いたりジャンクフードを頻繁に食べるなど、野菜を食べる機会が少ない時には野菜ジュースをお助けアイテムとして活用するのがおすすめです。
まとめ
トマトジュースと野菜ジュースの違いについて解説しました。基本的にはバランスの良い食事を心がけ、足りない栄養素を補う目的でこれらの食品を活用しましょう。
〈参考文献〉
AUTHOR
田中ひろか
管理栄養士。 保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。 バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。 食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。 現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。
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