「きれい好き」が仇になる?「汗疱(かんぽう)」などの手皮膚炎を防ぐには?医師の実験と考察
汗をかく季節になると、手足の指、手のひら、足の裏などの皮が剥け、小さな水疱がプツプツ……。このかゆみや痛みを伴う水ぶくれは「汗疱(かんぽう)」と呼ばれる皮膚炎です。 確固たる原因はまだ不明。ですが今回、にっしん皮フ科・形成外科 理事長・院長の平岩亮一先生が、ある仮説を立て、ご自身の体で実験された、その結果をお伝えします。
汗疱発症は、なぜ起こる?
いまだにはっきりとした原因がわかっていない「汗疱」。ですが、平岩先生は「界面活性剤の使用頻度の増加では?」という仮説を立てました。たしかに、界面活性剤は、朝の洗顔料、食器洗い洗剤、ボディシャンプーなど、日常の商品に多数含まれています。とくに感染症が大流行してからは、ハンドソープをこまめに使うなど、界面活性剤に触れる機会が急増しました。
平岩先生自身も、湿疹や汗疱で悩まされてたことから、研究を開始。自らの体を使った実験結果が、こちらです。
実際に8ヶ月「界面活性剤レス!」生活してみた
平岩医師は、界面活性剤を排除した生活を8ヶ月間実施。「汗疱を引き起こす原因」を取り除いた結果、肌はどうなるのか? を調査しました。
お風呂もシャワーも本当に0回です。頭髪だけ週1回シャンプーまたは水シャンしています。湯シャンは臭いが出やすかったのでやめていました。
<8ヶ月間、実験の条件>
・界面活性剤レス(石鹸・食器用洗剤・ボディーソープ・シャンプーなし)
・週0回、シャワーもしくは風呂
・頭皮頭髪は、週1回シャンプー使用。
*実験期間中、独自開発の汗のかゆみ防止剤「生体皮膜剤(栴檀海斗)」を全身に使用。
実際、8ヶ月間「界面活性剤レス!」した結果……
日差しに照らされ、汗がにじんでも汗疱ができなくなったそうです。平岩先生の患者様の中にも、「界面活性剤レス!」を実行して、汗疱や汗疱状湿疹が出にくくなった、という声も。
*これは毎年、汗疱や汗疱状湿疹が時々出現していた平岩先生が『界面活性剤レス』にしたら出なくなりました、という実験結果です。勘違いしないいただきたいのは、読者の方の今ある「異汗性湿疹」を改善する、ということではありません。
キレイに洗いすぎるのは、バリア機能を弱める
汗疱ができやすい、手のひらや足の裏には、毛穴がありません。そのため、皮脂が分泌されないので、角質層の細胞膜から脂をにじませているのです。
平岩先生曰く、界面活性剤に触れることで、この脂が強制的に除去され、細胞はバランスを失い、汗疱を発症してしまうそう。清潔な手足にしようと洗っていたことが、かえって皮膚炎を引き起こしているなんて、驚きです!
汗疱のプツプツは、見ているだけでゾっとするし、かゆいし、ちょっとナーバスになってしまいます。原因が特定できず悩んでいるなら「界面活性剤レス!」は、十分に試す価値アリ。なんと言っても、ドクター自身が自分の体を使った実証データがあるのですから!
教えてくれたのは…平岩亮一先生
形成外科、皮膚科、未病医学を専門とする医師。国内外13もの特許技術を院長自らが取得するなど、先進的でオリジナルの治療を行なうクリニック「にっしん皮フ科・形成外科」理事長。ニキビや湿疹、皮膚炎、外傷などの病気やけがを、できるだけ早く、そして美しく治療することに努めている。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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