〈アウトドアシーズンだから気をつけたい〉木に生えたきのこ、食べたらどうなる?管理栄養士が解説
きのこにはたくさんの種類があり料理でもよく使う、身近な食材の1つです。森や山などに行くときのこが木などにはえているのを見かけますが、こういったきのこは食べても大丈夫なのでしょうか。 この記事では木にはえたきのこなどは食べても大丈夫かについて解説いたします。
木などに生えているきのこ、もしかして毒きのこかも!?
食用きのこと毒きのこは、見た目もよく似ているものが多いです。そして、間違えて食べると吐き気や腹痛などの食中毒や最悪の場合、死に至るような猛毒のきのこもはえています。
そのため、自生しているきのこには注意が必要です。安全だと確認できないきのこは、採らない、食べない、売らない、人にあげないようにしましょう。
注意が必要な毒キノコ3選
日本にある毒きのこの種類はなんと200種以上といわれています。そこで、毒きのこの中でも特に食中毒の件数が多く注意が必要なきのこをご紹介します。
ツキヨタケ
きのこによる食中毒の中で一番多いのがツキヨタケによるものです。ツキヨタケは枯れ木や倒木にはえる毒きのこで、ヒラタケやシイタケなどと見た目が似ているため誤って食べてしまうことも多く注意が必要です。
食べてしまった場合、摂取後30分から3時間で嘔吐や下痢、腹痛などの中毒症状が現れます。まれに幻覚や痙攣(けいれん)を伴うこともあります。
ほとんどは翌日から10日程度で回復し症状は軽症で後遺症もありませんが、重症例では痙攣(けいれん)や脱水などを起こし、死亡することもあります。
クサウラベニタケ
夏から秋にかけてブナ科の広葉樹林やマツなどの地上に生えるきのこで、カサは3〜10㎝程度で灰色や黄土色をしています。
ハタケシメジ、ホンシメジ、ウラベニホテイシメジなどの食用きのこに似ており、ツキヨタケの次に誤食が多い毒きのこです。食べてから10分〜数時間で嘔吐や下痢、腹痛などの症状や発汗などがみられ、ひどい場合は死亡する可能性もあります。
テングタケ
広葉樹林の地上に発生し、カサの大きさは6㎝から15㎝程度の中型のきのこです。灰色がかった茶色や緑がかった茶色で、表面に白色のイボが点々とあるのが特徴です。ただし、イボは落ちている場合もあるので注意が必要です。
食べてしまった場合、食後30分〜4時間程度で嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れるほか、めまいや痙攣(けいれん)などが現れて呼吸困難になることもあります。
まとめ:木などに生えているきのこは要注意
見た目から食べられるきのこだと思っても、実は毒きのこだったというケースは多くあります。基本は食べないことが一番ですが、万が一、木などに生えている毒きのこを食べて症状が出た場合は、病院へなるべく早く受診して治療を受けましょう。
【参考資料】
食品安全委員会:ツキヨタケの概要について
ツキヨタケ中毒の6例:小林史岳他,日農医誌,66(4)499-503,2017
農林水産省:本当に安全?STOP毒きのこ
厚生労働省:クサウラベニタケ(Entoloma rhodopolium )
AUTHOR
津端奈緒美
管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。
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